読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
脱走した米兵の惨殺死体が日本海岸で発見された。それがすべての発端だった……。同じ頃、米国防総省の下請け情報機関に所属するアナリスト・葉山は調査中にある情報を入手する。北朝鮮の権力中枢で、何かが起きている——。鍵を握る謎の言葉「プラチナ・ビーズ」とは? 米朝の謀報戦を鮮烈に描く、本格スパイ小説の新鋭、入魂のデビュー作。文庫版のための特別描き下ろし短編も収録。(裏表紙より)
おお……おおおお……! すごかったー! こういう社会派な作品はちょっと苦手意識があってなかなか読めないんですけれども、読み始めたらぐいぐい引き込まれてあっという間に読んでしまった。そしてプロローグに戻ってしまった。
下請け情報機関に所属する葉山は、脱走米兵の死をきっかけに北朝鮮で追われたはずの幹部が再び中枢に復帰しているらしいことを突き止める。情報源となった女優志望の町田洋子とふとしたことで再会した葉山だったが、その後、尾行や襲撃に遭い、しかも町田洋子が死んだという知らせが入る。何がどこで繋がっているのか、相手の目的は何か。
行き場のない人間が何かを得ようと必死に足掻く。あるいは煮えたぎる怒りを隠して自らの望みのために行動する。静かな熱意というのか、出てくる人たちそれぞれの持つ何かが息苦しくて、この人たちがどこに行き着くんだろうとページをめくる手が止まらなかった。
主犯者と思われる謎の美貌の男が、ほとんど出てこないのに妖しい魅力に溢れててかっこいいんだよなあ……。終盤登場したときのやりとりにはぐうっと胸を掴まれた。「プラチナ・ビーズ」の意味を知ると、泣きたくなる。
おすすめされた小説でした。おすすめありがとうございました!
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