読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
本が手の届かないほど遠くにあると思っていたこと。
本が母と娘を繋ぐ絆であったこと。
本が祖父への畏れであり、忘れ得ぬ思い出であったこと。
そして、強すぎる願いゆえに、たった一冊の本すら手放せないこと。
そこにあるすべての本には数え切れない“想い”があり、そこに集うすべての読者にはその数だけの“物語”があった。
さえずり町のサエズリ図書館。
それは本の“未来”が収められた、美しく、不思議な図書館。
紅玉いづきが詠う、すべての書物への未来譚(ラブソング)――。
あなたにとっての大切な一冊は、きっとここでみつかる。(裏表紙より)
無料公開していた一話を読んで、ぼろっぼろに泣いてから、なんだか恐くてしばらく遠ざけてしまっていた一冊。サエズリ図書館という私立図書館の特別探索司書ワルツさんと、利用者の人々の物語。
一話で、やられたー! と思ったんですが、二話からその世界が、一度終わりを迎えた時代だとはっきり分かるようになっています。どうやら首都は機能しておらず、地方ごとに運営がされているらしい。けれど、汚染された世界では確実に終わりが近付いている。
けれどそれをはっきり、本という形で「死なない」と言ってくれるのがワルツさん。終わりをひたひたと感じながら、「みんな、本を愛している」からと言ってくれる。それがなんだかなあ、胸をぐっと掴まれたように感じました。
もっとこの図書館と本の物語を読みたいなと思いました。
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