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月の光はいつも静かに (ウィングス文庫)
―—なぜ、アドリアンは駈け落ちなどしたのか、
異国から虜囚としてやってきた姫にだまされたのか……?

黒龍隊長ゼルス・ダガンは逃げた二人を追いながら思う。
古い貴族の家に生まれ、将来を約束された近衛騎士の青年は、美しい婚約者を置いて逃げる必要などないはずだった、と。しかし、月の輝く砂漠の中でダガンが二人を追いつめた時、アドリアンが吐露した心情、希求の叫びとは——!?
それぞれの立場、願いが交錯する表題作のほか、長篇書き下ろし「街の灯は黄水晶色にあたたかく」を収録。
期待のニューフェイス・甲斐透のデビュー作。(裏表紙より)

駆け落ちした姫と騎士。だが、姫は城を逃亡し故国へ戻って、恋しい男の元へ帰ろうとしていた。恵まれた立場に生まれた青年騎士と、異国の血を引くがゆえに出世できず部隊長に甘んじている男。二人の思いが、月の砂漠で交差するところは胸に迫ります。
出てくる人は基本的に男性ばかりですが、男所帯ながらも寄せ集めの面白さ、個性がとても楽しいです! 男どもがぎゃあぎゃあ言っているのってとてもいい。信頼されながらもいっつも貧乏くじを引かされる、不器用で優しい隊長殿って、ときめかないわけにはいかないでしょう!
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