読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
恋人の聡実が眠り続ける病気にかかってしまった。数時間が数日、数週間、数か月、数年と、眠り続ける時間がながくなる。眠りながら老いていく彼女を主人公は見守り続けるのだが――。表題作を含む、著者渾身の短編集(Amazonより)
眠り続ける病を患った彼女のそばにあり続けた彼の話。「眠り姫」。
使用人を人とも思わない所業で暴行された少女は、美しい男と出会う。男はまるで最初から存在していたかのように事実を捻じ曲げる力を持っていて。ダークファンタジー「汝、信心深きものなれば」。
架空の小説の感想文が受賞したのをきっかけに図書館司書の女性と親しくなる「さよなら、アーカイブ」。
すべてが水に飲み込まれた世界で生きる中、リーダーの死をめぐる「水たちがあばれる」。
ヤクザから仕事の下請けをするようになってしまった探偵・真木の三つの事件。「探偵真木」シリーズ。
2004年に富士見ファンタジア文庫で出たのかこれが。仄暗いところを描きつつも、肩の力を抜くような会話の軽妙さとか、一方で息が浅くなるような臨場感とか。切なくて懐かしいような感じとか。いまでいうライト文芸と変わらないような密度の高い短編集で、とてもよかった。
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