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プリンセスハーツ―大いなる愛をきみに贈ろうの巻 (ルルル文庫)
『ルシードはアジェンセン大公の血を引いていない』その秘密を知ってなお、支持すると言ったはずのリドリスの裏切りに、意気消沈するルシード。一方ジルは、ジョングー=ガーグと共にテジムに捕らえられてしまっていた……。王座奪取へ邁進するルシードに贈られる、リドリスの、メリルローズの、……そしてジルの贈り物。全ての謎が明かされる中、ふたりの運命は!? 王宮ロマン、グランド・フィナーレ!(裏表紙より)

最後までときめきとロマンと歴史が詰まった、とても素晴らしい物語でした!
リドリスの贈り物は……もう分かりきっていたことだけれど、つらい……。大いなる傷と愛、か……。精霊の声を聞こうとしながら、最後に好きなものを食す彼は、一方で存在し続けたかったのだろうな……。生まれついたものが、未来永劫ルシードを脅かし続けるから、退場すると決めたリドリスは、きっと”未来”をあげた。
メリルローズの贈り物は、ルシードの生そのものだったのかもしれない。彼の輝かしい王への道、生きることへの望み、心。”いま”というものを紡いで振り返ったものが過去なのだから、メリルローズは心をあげたのかもしれない。それは多分”過去”なんだろう。
そして、ジルは”いま”をあげたんだろうなあ。一瞬一瞬、色鮮やかに、生きているって実感するもの。幸せだと感じるもの。
初夜の明けた朝は、笑いすぎておなか痛かった。リュリュカの叫びが全読者の心を代表していたと思います。
エピローグのいろいろは、そこもうちょっと詳しく! ってなりながら、その距離感がグランド・フィナーレという感じで心地よく、最後の最後でハッピーエンドなのがさいっこうだと思いました! ここに来て、それが伏線だったかーーーーー!!!!!(ばくしょう)
最高の物語でした。ありがとうございました!
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