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楽園まで (トクマ・ノベルズEdge)楽園まで (徳間文庫)
雪が降り続ける世界。普通の人と目の色が異なるオッド・アイの少女ハルカと弟のユキジは、異能を持つために悪魔と呼ばれ、教会に追われていた。ハルカは心を失った双子の弟ユキジの手を引いて〈楽園〉を探す。旅の最中に出会った青年ウォーテンは二人が悪魔であることを知っても態度を変えなかった……。一方、悪魔を狩る役目を担う「狩人」の青年ルギは、教会に疑問を抱き始めていた。ハルカとユキジは、〈楽園〉の在り処を知るが、「狩人」たちに追い詰められて……。
——お願い。なにも望まないから、なにも奪わないで。
第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作。(裏表紙より)

私が読んだのはノベルズ版。文庫版も貼っておく。
初夏の暑い日に、アイスクリームを食べながら読む。
静まり返った世界で、白い息を吐きながら、歯を食いしばったり、熱い涙を堪えたりする話だったなあ……と思いました。切ない。しんとする。悲しいけれど、一生懸命前を向いて目をそらさないでいたい。主人公のハルカが、心をなくした弟の手を引いて雪原を歩く、そのシーンの美しさが。美しい逃亡者のお話だったなと思います。
人の優しさ、醜さ。神の在処。楽園を求める少女たち。展開は予測できていたけれど、空気感の美しさに引き込まれました。面白かった。
サンホラーな私は「ねえ、その楽園にはどんな花が咲くの?」という話だなと思ったりしました。
作者さんがお若くしてデビューしていてびっくりする。はああああ……すごいなあ!
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