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夜の虹 (コバルト文庫)
19世紀帝政ロシア。父の死をきっかけにある能力に目覚めた少女オリガは、早春の公園で見たくないものを見てしまう。止むをえず少年の失踪事件捜査に関わるのだが、行く先々に現れるいわくつきの副署長ロジオンに、腹が立つやら調子を狂わせられるやら。しかもこの副署長、女性問題で地区警察に左遷されてきたという噂…。秘密を抱えて奔走するオリガに、いたずらな春の風が吹き始める…!(裏表紙より)

ロシアの空気を味わえる作品だなあと思いました。すごく雰囲気があって、寒さや暗さをすごくよく感じる。
貴族の子女オリガは、父の死をきっかけに伯父の屋敷で暮らしている。絵が描くことが好きな彼女は皇后の犬を描いたことさえある。でも「人の死ぬ直前からその瞬間までの姿が見える」という能力は秘密だ。ただでさえ変人扱いされている彼女の周りには、イギリス人弁護士アーサー、憲兵将校レオニード、元近衛隊中尉現地区警察副署長のロジオンなど魅力的で一癖も二癖もある男性陣が揃っている。……でも恋愛的甘さにならないのがいいよなあと思いました!笑
事件を追ったり、追及をかわしたり、危険な目にあったりするのですが淡々とした調子で進み、最終的に大きな謎である「父の死」については明らかにならないのが残念……。
しかもあとがきにも事件が。迷い犬だったり死臭のする米袋だったり、すごいな!? と別のところでもまた思ってしまいました。
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Author:月子
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