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氷雪王の求婚 ~春にとけゆくものの名は~ (コバルト文庫)
冷酷さから〈氷雪王〉とも渾名される、皇帝エドリックが皇后に選んだのは、地方伯の娘にすぎないアイリス。逆らうことなどできるはずもなく、アイリスは幼馴染みへの淡い恋心を殺し、皇帝との華燭の典に臨んだ。しかし皇帝は渾名通り情のない男だった。互いを名前で呼ぶことすら許さず、〈皇后〉として公務を果たし、世継ぎをもうけることだけを要求し…!? 2010年度ロマン大賞受賞作!(裏表紙より)

色んなところ評判をお聞きするので、読んでみた。
はー……面白かったぁ……。
タイトルやイラストのふんわり感に騙されてしまいますが、内容はとても大きな歴史の一部を覗き見るもので、『雄大なる時間』を感じる、儚くも美しい歴史の物語でした。これ、味付けが違ったら普通の政略結婚小説になると思うのだけれど、構成がすごい! 悲劇的な結末を予感させながらも、歴史が「語る」部分と「語らない」部分が、もう見事で! 結末は後世の人々や読者しか知り得ないというのは、ぞくぞくときます。面白かった。
アイリスは、最後まで自分らしさを失わない、可憐なヒロインで。嫌みっぽいところがないのが好きでした! 本当に、下手するとこれはうっとうしくなる気がするので、さらっとしながらも心をつかんでいく様が描かれていてにやにや読んでしまった。
面白かった!
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