読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
とある大学に存在する読書クラブ『バベルの会』に所属する人々は現実と幻想の境の壁が脆い。そんな彼女ら儚い者たちの、本と関わり家をめぐる連作短編集。
ひいっ! と声をあげてしまうような恐ろしい話が多かったです。誰が殺して、誰か殺されて、あるいは誰が食って、という話ばかりでした。ダークさにぐらぐらしましたが、こういう暗黒成分はどんとこいでもあるので、面白く読みました。主に令嬢と使用人という話だったのも、好きな理由のひとつだ。
「身内に不幸がありまして」の最後の一文が、恐ろしい。同じく、一言が効いているのが「玉野五十鈴の誉れ」だ。ぞわっとした。
羊というとのんびり、うつらうつらしている夢見がちな、無害な生き物を想像してしまうので、そんな羊たちが夢見ているのがこういう悪夢のような、悪趣味な幻想だと思うと、なんだか言いようのないもやもやと、興奮みたいなぞくぞくを覚える。
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