読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
妹の百合香が死んだ。姉の早苗は、美しい姿で死者の写真を残す葬儀社を知る「死体写真家」。出会い系サイトで知り合った女と寝ては別れを繰り返す佐原の過去にいたのは、夜ごと客を取っていたというかつての同級生「レイニー・エレーン」。新興住宅街でアタシはこの世ならざる者を見る。神様、お願い。「アタシの、いちばん、ほしいもの」。ある宗教を信仰する家に生まれ、盗癖を持ち、暴行の末に妊娠して家を追われた私は、ある特殊な性癖のMさんと出会う「私はフランセス」。父親のネグレクトを受けている私は、ある日、曾根という男と彼と一緒に暮らす「お姫様」と知り合う「いつか、静かの海に」。五つの愛の形を描く短編集。
読んだのは単行本なんですが、表紙が好きなので文庫版を貼っておく。
愛って言ってもものすごく変質的、変態的でもある。どの話も結構悪趣味なんだけれど、すごく面白い、というか、残酷な童話でつい真剣に聞いてしまう、というようなイメージがあるなあ。
最初の「死体写真家」からテッテレ王子(@サンホラ)が走っていく。しかしイケメン度はない。「いつか、静かの海に」は突然ファンタジーでこれだけ異色だと思いました。同じファンタジーでも、「アタシの、いちばん、ほしいもの」はこれもひとつの少女の形、と思う一人称語りで、結末はやるせないとはいえ、すごく好きだなあと思いました。
本棚に置いておくには、ちょっと不謹慎な気もしつつ、好きな一冊でした。
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