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待つ宵草がほころぶと (コバルト文庫)
中三の凜は「えらい子」だ。身体の不自由な姉がいて、母は彼女にかかりっきりだから、良い子でいるしかなかった。小さな胸にひそむ寂しさをなぐさめてくれたのは、ただ、小さな花と、“神主さん”の白尾だけだった。だから、進学のため町を離れた彼が教師として目の前に現れてから、凜はまた昔のように神社の境内を訪れるようになったけれど——。真夏の宵に花開く、せつない初恋物語。(カバー折り返しより)

沖原さんだいすきだー! 持っているのは『勿忘草の咲く頃に』『桜の下の人魚姫』『黄金を奏でる朝に〜セレナーデ〜』と、今回の本で刊行された本はすべて揃えたことになるのですごく嬉しい。繊細な筆致と物語がとてもとても好きなのです。新作出されないかなあ……!
中学三年の凛が寂しさを押し隠しながら過ごす一夏を描いただけ、なのに、切なくてたまらない。大人びた少女の凛は、かつての初恋を自覚して、恋未満だけれど柔らかい感情を、“神主さん”の白尾に覚えている。この細かな心とか、凛が追っていく光景が、すごく綺麗なのだ。
普通のライトノベルより、地の文も多くて、細やかなので、すごくオススメです。が、もうすでに絶版なのかな……?
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