読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
IT企業に勤める晶は、パワハラ社長に振り回され、同僚たちに手を貸しては自らを疲弊させ、恋人の京谷とは四年も付き合っているのに結婚の話ができていないという状態だった。だが行きつけのバー「5tap」で常連客であった恒星と交流を持ったことで、少しずつ周囲の人々の問題が浮き彫りになっていく。「馬鹿になれたら楽なのにね」言いたいことも言えない、与えられた役割を演じてしまう、けれど本当の自分を持っている人たちの行く先は……。
面白かった。人が当たり前に持っている痛みや苦悩、どうしても踏み出せない一歩を丁寧に描いてくれていた気がしました。創作物なんだから劇的に変わってほしいし、スカッとしたいんだけれど、こういう風にリアルに、じりじりと変化する様を描いてくれる作品は色々考えさせられて面白い。
ちょっとした台詞がさりげないのにすごくしゃれていたなあという印象。だから時たま口にされる、くさい台詞におかしみがあって、ふっと力が抜けて笑ってしまう。心地いいと感じました。
恒星さんがすごくいいキャラで、かっこよかった。こういう力の入ってない、ゆるっとした毒舌の人、好きだなあ。
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