読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
妻を亡くしたコワルスキーは息子家族からやっかまれ、財産や愛車グラン・トリノを寄越せと暗に言われているが、偏屈で頑固な性格と持ち前の口の悪さで彼らを追い払っていた。ある日隣に住むアジア系の少年タオが車を盗難しようとしたことをきっかけに、少しずつ彼や彼の姉スー、家族たちと交流を持つようになる。だがタオやスーを守り、ギャングたちに立てついたことで、ある悲劇が起きてしまい……。
めっっっちゃくちゃいい映画で見入ってしまいました。罪の意識を抱えて誰にも言わないまま偏屈になっていく老いた男と、異国人で何を目指せばいいのかもわからない少年。二人の交流と、贖罪。最後の方、なんでかわからないけれど涙が溢れて止まらなかった。
治安の悪さがありありとわかるし、悲劇が起こるのではという予感を割と最初の方から感じて、コワルスキーの投げやりにも思える口の悪さと立ち向かい方にはらはらして。けれどタオがめざましいほどに成長して、仕事だけでなく人を敬うことを覚えたりする姿に希望を感じたりもして。
だからこそ、死期を悟り、自らの命の使い方を選択したコワルスキーに涙がこぼれてしまったのかもしれない。最後まで自分の生き方を貫きながら、未だ抱き続ける戦争やスーを傷つけてしまった後悔をきっぱりと拭うと決めた彼は、最高にかっこいいけれど凄まじく悲しい。最後の遺言がまた、彼がそこにいて息子たちとタオに話しているかのようで、ぶわっとこみ上げました。
すごく好きな映画でした。
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