読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
テレビ関係の仕事をしている赤星は、なかなか成功もせず、SNSで食べ歩きしたラーメンを酷評し、倦んだ日々を送っていた。だがある日知人の狩野から雑木林で焼死体が発見された事件の関係者であることを聞き、ネタになるのではと取材を始める。被害者のこと、そして被疑者について聞いた赤星はその進捗をSNSに書き込みつつ、センセーショナルに報じる番組を作る。被害者の所属していた会社になぞらえて「白ゆき姫殺人事件」として話題になるも、世間の興味を引く内容は事実とはかけ離れていて……。
原作は既読。
インターネット上の炎上、報道被害、SNSの無責任な発言などなど、作品が発行された2012年から十年以上経ってもインターネットとメディアと人の関係はまったく変わらず、馬鹿馬鹿しい過ちを繰り返し続けているのか……とがっくりしてしまう。
Webでの過激で無責任な発言の数々は原作や映画製作当時はそうした振る舞いが直接的に自分に返ってくるものではないという世の中で、しかし現実に、誰かのものを自分のものだと発言したり行動したりして最終的にやり返されて殺されるという描写は、対比のようでいて同じものなんだよなあ……。
城野をちゃんと信じてくれていたのが、寝たきりの祖母と引きこもりの谷村夕子という、家族以外の人ともメディアとも繋がりのない、城野美姫を知っている人だったっていうのが皮肉で、救い。「知っている」ってそういうことなんだよな。
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