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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女III」
冬の気配が近付く中、神殿長のローゼマインは城と神殿を行き来する、慌しい毎日を送っていた。社交界での交遊に、洗礼式や奉納式等への参加。識字率の向上を目指した、貴族院入学前の子供の指導、さらには成績不振な護衛騎士の教育まで、一年前とは比較にならないほど忙しい。貴族間でも神殿内でも影響力は高まっていく。一方で、グーテンベルクの職人と印刷機の改良に挑んだり、城で絵本を販売したり、本への愛情は強まるばかり。そんなローゼマインの内なる魔力もますます強力に! 周囲の注目を集める中、騎士団と共に冬の主の討伐を行い、春の祈念式では新たな素材を採集するのだった。
戦いと幻想の冬を越えて、「エーレンフェストの聖女」が高く舞い上がるビブリア・ファンタジー激闘の章!
大増書き下ろし番外編2本+椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(カバー折り返しより)

採集と、お披露目と、貴族の子どもの教育と、ハッセのお裁きと。前段階という感じなので、そろそろ大きな問題がやってくるんだろうなあという気がしますが、とりあえず順調な様子。
いやでもローゼマインがどんどん自分が思う以上に、影響力が強い、聖女としての名を上げているようで大丈夫かなという気持ち。期待がのしかかってくるんじゃないかなあ。難しい課題もクリアしていってしまうと、際限がなくなるから怖い。
個人的にときめいたのはブリギッテのドレスを仕立てるところでした。ドレス姿のお披露目、あるかなあ。あったらいいなあ。
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ブラック・スワン [DVD]
バレエ一筋のニナは、ステージママである母親の期待と愛情を一身に受けるバレリーナ。バレエ団の次の公演は「白鳥の湖」だが、主役は純真無垢な白鳥と官能的な黒鳥という一人二役を演じなければならない。ライバルの存在、演出家の性的なほのめかし、自らの力不足に追い詰められていくニナは、少しずつ少しずつ壊れていく。

真面目で抑圧された女性が少しずつ自身の黒い部分を開花させていく……というストーリーを想像していたんですが、ラストの畳み掛けに、ひいっ! と悲鳴をあげたし、最後まで見て、いやまじこれ好きだわ……と思いました。現実感を残したまま、見ているものが壊れているところがめちゃめちゃ怖いし、すごくいい。
結局ニナは、自分が黒い部分に染まることができなかった、直面して受け入れることができなかった、ということなのかな。母親に望まれる自分がもう完全に自分自身と化していて、そこから逸脱することができず、認められることもできず、こういう結末なのかもしれない。いやでもあるいは、純真無垢であることを否定するかのように白鳥は失敗したけれど、黒鳥を完璧に踊れたのは邪悪さを受け入れたからで、でも何もかも遅かったということなのか。
どちらにしても面白かったです。
オーメン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
六月六日の六時に生まれた我が子が死産だった駐英大使は、同じ日に生まれた孤児を引き取ってダミアンと名付けた。しかしダミアンが成長するにつれ、周りでは不可思議な事件や死亡事故が次々に起こるようになる。ついには教会関係者に、ダミアンは悪魔の子だと言われ……。

ダミアン少年、という言葉だけを知っているという感じだったのですが、この度初視聴。めちゃめちゃ勢いよく人が死ぬし首を吊るし首が落ちるし、ぎゃっと言わせようとしているシーンのオンパレードで、古いホラー映画のこういうところ好きよって思いました。いやでも残酷だしグロテスクなんですけどね……。
抗って戦って、こういう結末を迎えるのは珍しいなあと思いつつ、機会があったら続きも見てみよう。
ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]
内気な性格を学校で嘲笑われているシャロン。いじめられっ子の彼にとって、同級生のケヴィンが唯一の友人だった。薬物中毒の母にネグレクトを受け、麻薬の売人の男フアンとその恋人テレサに助けられたシャロン。我が子のように可愛がってくれる彼らに安らぎを与えてもらって成長していくシャロンだったが。

マイアミの黒人コミュニティで暮らす少年のヒューマンドラマ。静かで上品で、どこか物悲しい、いい作品だった。心を救われるってどういうことなのか、丁寧に描いてるなあという感じ。自分の世界に溢れる矛盾や、受け入れがたい現実とどう向き合っていくのか。夜の海を望んでいたシャロンが振り返ってくれたことで、なんとか自分自身を受け入れることができたのかなと思う。
シャロンは報復しないし、裏切り行為を働いたケヴィンに怒りをぶつけたりしない。母親と和解するけれど、彼が更生するわけではない。そういうリアリティがすごく丁寧で、すごくよかった。
ぼくのエリ 200歳の少女 スペシャルプライス版 [DVD]
いじめられっ子のオスカーは、ある日隣に越してきた少女エリと出会う。しかし彼女が外に出てこられるのは夜だけ。それでも密かな交流を続けていた二人だったが、街では不可解な失踪事件や殺人が起こっていた。

「モールス」を先に見ていて、原作は未読。孤独な少年と謎めいた少女の交流の話で、こちらはどちらかというと事件性が強い物語になっているような気がします。二人の世界の外で起こっている事件が現実として押し寄せてくる感覚、恐ろしい感じがあるけど嫌いじゃない……(むしろ好きだ……)
残酷なシーンが結構ストレートに描かれるので、そういう意味では「モールス」の方が綺麗で幻想的だったかなと思いつつも、わかりやすくて面白かった。
今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)
些細なことから上司・岸本の執拗な嫌がらせを受けるようになった玲美。疲弊しきった玲美は、彼を殺したいと夢想するようになる。こいつの頭をぐしゃりと潰してやれたら——。業績を掠め取る係長、若い女子を目の敵にするお局、会社に寄生する豚野郎。こんな最低なヤツらが迎える結末とは!? 会社で頑張るすべての人々に捧げる、ちょっとブラックなお仕事小説!
イヤなのは”仕事”じゃないんです!(裏表紙より)

ブラックなお仕事小説ではなく、ブラック会社で働く人たちがパワハラ上司に報復するホラー小説だった。いやでもめちゃめちゃ面白かった。
些細なことからパワハラを受けるようになった玲美が、近くにある縁切り神社にお参りしたことで上司を撲殺する夢を見るようになる表題作。
正社員の主任からパワハラを受け、仕事を取られた麻里子は、主任のデスクの上にある天井の梁で首をくくって、報復を妄想するようになる「天井の梁」。
妊娠をきっかけにブラック部署に飛ばされるというパワハラを受けた菜々。その部署にいるディレクターは、大声で恫喝する上に、部下を搾取し、仕事をしない豚野郎。もれなく病むというその部署では、部下たちが共有ファイルに恨みつらみを書き連ねる「引き継がれ書」があるという「引き継がれ書」、以上の三編。
なんとも後味が悪い表題作なんですが、残り二編はそれなりにすっきりできたかな。いやでも「引き継がれ書」のホラー感はやばい。怖さが飛び抜けてた。そりゃ恨みつらみを込めていたら、いくら電子データでも呪詛と化すよね……。
王弟殿下とお掃除侍女 掃除をしていたら王弟殿下(幽霊つき)を拾いました (一迅社文庫アイリス)
王宮でお掃除侍女として働く貧乏子爵家の娘アメリア。廊下に落ちていた黒モヤまみれの物体をモップでこすったら、中から出てきたのは天使のような美青年——神官長をつとめる王弟殿下だった!? 慌てて逃げ出したアメリアは、家族にも秘密にしていた浄化能力に目をつけられ、王弟つき侍女に配属変えされてしまい!?「君のモップさばきに惚れたんだ」…って、それは何の告白ですか?
憑かれ体質の王弟殿下とお掃除侍女のお仕事ラブ★(裏表紙より)

掃除によって悪霊を浄化する能力を持った子爵令嬢と、憑かれやすい王弟殿下のラブコメ。当たり前のように仕事をするアメリアがなんかいい。その分、王弟殿下セドリックはすごく策士というか、ゆるふわっぽく見せかけて実は結構やり手ですね? という根回しの良さを感じたので、そんな彼がアメリアに執着するところがとてもラブコメだなあと思いました。
一番意外だったのはたぬきがそんなに活躍しないことでした笑 もっとマスコットキャラっぽい動きをするのかと思ってた。
時をかけるゆとり (文春文庫)
就活生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。この初エッセイ集では、天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』改題。解説・光原百合(裏表紙より)

お腹がゆるい冒頭の話、なんか読んだことあるな? と思ったら『学生時代にやらなくてもいい20のこと』を読んだことがあった。当時はそんなにぴんときていなかったことも、いま読むとああーって感じでわかって面白い。
男爵令嬢は婚活よりもふもふをご所望です (夢中文庫セレナイト)
王都では、人の言葉を話すことができる『有言種』というペットが、貴族の間で人気を集めている。有言種は魔術によって生みだされるが、多大な量のマナと特殊な教育が必要なため、希少価値がかなり高い。――そんなトレンドを知らない田舎の男爵令嬢アメリは、婚約者探しのため王都にやってきた。動物が大好きな彼女は田舎では両親に隠れて獣医の見習いをしていたが、王都には気軽に触れ合える動物がいない。毎日の婚活に疲れ、もふもふ不足に耐え切れなくなったアメリは、下町の古ぼけた動物病院にたどり着く。そこで獣医の手伝いを始めたアメリは、怪我をした有言種の猫を保護することになるが、『彼』はなんだか訳ありのようで……?(Amazonより)

動物に好かれる動物好きの男爵令嬢が、言葉を喋る有言種の猫とその事件に巻き込まれる。短めなので、ちょっと尺が足りない気がする。そのせいか、いろんな問題があるのに糸口は見つかるものの解決に至らないのが物足りなかったです。
ヒロインとヒーローの交流は、微笑ましく、かつラストは甘くて可愛らしかったので、好きになっていく過程をゆっくり見ていたかったなあ。
夫のちんぽが入らない(扶桑社単行本版)
閉鎖的な土地での暮らしに嫌気がさし、大学進学を機に一人暮らしを始めた私。同じ下宿に暮らす年上の男性と知り合い、交際し、結婚するが、二人の問題は「入らない」ことだった。

淡々とした語り口で茶化したようなことを言いながら、その実、深く傷ついているのが伝わってくるようだった。わかってほしい、とそれだけを訴えているのに、わかってくれない世界が辛いと、読みながら思いました。そういう夫婦もある、そういう形もある、ということだけでいいと思うんだけど、どうしてそれが許されないんだろう。
息苦しさを覚えつつも、こういう本が世に出てよかった、とぼんやり思った。
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Author:月子
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