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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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チポロ
ひ弱で力のない少年だったチポロは、ある日彼を哀れんだツルの神が自ら矢に当たったことにより少しずつ生きるための力を蓄えていく。チポロの日々が変わり始めた頃、幼馴染の少女イレシュが魔物たちによって連れ去られてしまう。それから三年後。自らの無力を悔いたチポロは自身を鍛え上げ、弓矢の良き使い手になっていた。そんなときイレシュらしき「氷の魔女」の噂を聞き……。

アイヌ民族を描く児童文学。無力な少年がめきめきと力をつけて、幼馴染を助け出すべく旅立つ。そして彼には神様であるオキクルミにまつわるとある秘密が。
力強くて優しいお話で、神様と人間の違いを描きつつも、人はそれでも強く、善性を信じて生きていてほしいと願いが込められているように感じました。結構オキクルミもその部下であるヤイレスーホも勝手なんですが、それがまた人間臭くて面白い笑
ヤイレスーホとイレシュは異種族恋愛か!? とわくわくしてしまったんですが特にそういうことはなく。ヤイレスーホがかわいそうな終わり方でちょっと残念……ロマンスがあっても楽しかっただろうなと思う少女小説脳です。
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女子校力 (PHP新書)
「女子校っぽいよね」——同性にはすぐにピンとくるらしい。モテることより先に笑いをとりにいく、基本は他人に関心がない、余計なことをつい言ってしまう……一見すると、好き放題。
そんな女子校出身者は社会に出て、冷たい視線にさらされる。異性もいる職場での女子どうしの監視。男性上司のメンツがわからない。
「世間知らず」。誇りとコンプレックスの狭間で悩む彼女たち。でも空気を読まずに自分を主張できることこそ、新しい時代を生き抜く力では。ここにきて一部で人気が上昇! なぜいま女子校なのか? 78名の取材から見えてきた、いまどきの女子校育ちの強さと存在感のヒミツ。(裏表紙より)

学校のことは全然詳しくないので、女子学校に「名門」「進学校」なんてジャンルがあるとは思わなかった。がっつりお嬢様系の学校もあれば勉強を主体としてキャリア育成する学校もあるのね。面白い。
女子校出身ならではの功罪というのか、女子校はだいたいのものが受け入れられる楽園で、けれど大人になるとコミュニケーション能力に問題があるように自覚されて……という成長の仕方には、そういうこともあるのかあと興味深く読みました。女子校にはいじめがあるともないとも聞きますが、いまはまたどうなんだろうな(この本は2013年の本)。やっぱりスクールカーストが存在してるんだろうか。存在していたとしても緩いんだろうか。
女子校の話をしながら最終的に成人した女性たちが社会でどのように生きているか、何を感じているかという話も軽くまとめてあって、最終的に女性の社会進出の話に結論したのはへえーと思いました。知らない世界で面白かった。
仮面ライダーOOO(オーズ) VOL.1 [Blu-ray]仮面ライダーOOO(オーズ) VOL.12<完> [DVD]
美術館に保管されていたオーメダルの封印が解かれたために、800年の眠りから目覚めた怪人グリードたちが街へ逃亡した。警備員として雇用されていた火野映司は、偶然落ちていたメダルを給料と思い、それを拾って持ち帰る。だがそこへ腕だけの怪物アンクが現れ「俺のメダルを返せ」と言ってきた。

メダルで変身する仮面ライダー。世界中を放浪する独特の包容力を持つ主人公・火野映司と、欲望に執着し人間のあり方を理解できない怪人のアンクのコンビが、人や自身の欲望と向き合うストーリー。
この映司とアンクの関係が、ラストに向けてもうはらはらどきどき、最後には涙で……。欲望=夢や願いなんですが、望みを自覚できておらず常に自己犠牲的な映司と欲望を手放せないアンクという二人が、ラストに向けて持っていなかったものを手に入れるという素晴らしい展開。人でないものが人のようにありたいと願い、周りに感化され、自らの行動に満足して消えることを決めるなんて、涙なくしては見られない最終回……。リアタイ勢の阿鼻叫喚が想像されてたまりませんでした。
最後まで見るとアンクが愛おしくてたまらなくなる。映画ではちょろっと出たりしているんですよね。見に行ったときはぴんときていなかったけれどもう一度見て「アンクー!」って叫びたい。
ヴィヴィアン・マイヤーを探して [DVD]
2007年、とある青年が手に入れた大量のネガ。その古い写真を現像してネット上にアップすると素晴らしい作品だと賞賛の声が上がった。彼はそのネガから「ヴィヴィアン・マイヤー」という人物名を見つけ、彼女を探す。するとその訃報が検索で引っかかった。謎の写真家ヴィヴィアン・マイヤーとは……?

ドキュメンタリー。不思議な力強さと魅力を秘めた多数の写真を見つけたジョン・マルーフは、ヴィヴィアン・マイヤーが撮影したと思われる写真で作品展を行う。彼女は死後に脚光を浴びたが、それゆえに謎の満ちていた。マルーフは彼女の足跡を追って、家政婦をしていた家、乳母をしていた家などを訪ねてインタビューしていく。
そこから浮き上がってくるのは、発表することはなくても淡々と自分の作品を作っていく、職人のような表現者だったということ。何か悲しい過去があったのか天涯孤独で、新聞を乱読し、溜め込み癖的な収集癖がある変わり者だったということ。
すごくドラマティックなように思えるけれど、なんだろう、すごく物寂しいような……。世界から弾かれていたわけではないだろうけれど、自分と向き合い続けるあまり閉じられた世界に生きて、外側にある世界を撮影している女性の姿が浮かんで、なんだか胸がきゅっとする。
写真を見たいという声は、あなたが何を見ていたのか知りたいという気持ちなんじゃないかなあと思う。謎めいた人だったけれど、そのことを知らない人たちも写真から彼女の複雑な、人間的な内面を感じ取ったんじゃないかなあ。
この注目を本人が喜んだどうかは永遠の謎だけれど、作品が世に出て、誰かの心に響くなら素晴らしいことだと思う。面白いドキュメンタリーでした。
劇場版 零~ゼロ~ スペシャル・エディション [DVD]
「女の子だけがかかる呪い」の噂が囁かれている全寮制女学園の生徒であるミチは友人のアヤを案じていた。外に出てこなくなったのだ。だがそれから生徒が次々と失踪する事件が起き、その背後にはアヤそっくりの少女の写真があった。アヤの幻に「私の呪いを解いて」と告げられたミチは、アヤとともに謎を解こうとする。

どこが「零」なんだろうという魔改造感がありますが、美少女たちの全寮制学園というのは大変美味しい。
写真にキスをすれば呪いがかかるという都市伝説的な噂が囁かれる閉じられた学園。学校一の美少女。その親友。いまは落ちぶれてしまった自称卒業生が語る「呪いの話」など、学園と呪いと女の子のエッセンスがホラー仕立てで詰まっていますが、なんというか「このシーン(画)が撮りたかったんだろうなあ」というものの連続で、お話としては複雑なものはなく、ひたすら画面がホラーとして綺麗だと思いました。
役者さんの顔ぶれを見るに十代女子向けの作品だったのかな。美少女ばかりで眼福でした。
ある公爵夫人の生涯 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
ジョージアナ・スペンサーは十七歳になろうかというところでデヴォンシャー公爵の花嫁になった。だが後継を求める公爵と政治と賭け事の世界で遊ぶジョージアナは価値観が合わず、公爵にはすでにメイドとの間に娘がいた。さらに友人となったエリザベス・フォスターと公爵が関係を持ち、ジョージアナと公爵の関係はますます冷え切っていく。

実話を基にした作品。女性に自由がなかった時代の男女のどうしようもなさが描かれていて、見ていて辛い……。
若き花嫁と愛のない結婚。それは多分生涯覆されることはなかったんだろう。作品では子どものことを救いのように描いているけれど、心はずたずただったんじゃないかなあ。夫と愛人と同じ屋根の下に暮らしていてもずっと良き妻ではいられなかったと思うんですよね。ともかくそういう価値観の時代だったんだろうなあ。
貴族の女性の普段の生活とか、暮らしぶりとかを見るのが面白かったなあ。ドレスとか手袋とか、特に寝間着とか、ロマンだわあ。
世界のへんな肉
地域紙の記者を経て世界放浪の旅に出た著者。訪れた国は100にのぼる。その国でしか食べられない肉や魚がある。驚きの肉や魚とそれを食べたエピソードがまとまった一冊。初出は「おとなの週末.com」の連載「世界一周"仰天肉グルメ"の旅」。

すごく面白かった。インドで牛という比較的ソフトなものから始まって、羊の脳みそ、ラクダ、キリン、アルマジロ、カブトガニなどなど。食べた国でのエピソードとともに、食べた料理と味の感想もあり、すごく興味をそそられました。
そそられたんですが、あんまり美味しくなさそう……笑 そういう風に食べるっていうことはいままでそうやって食べられてきたってことなんでしょうが、すごく野性味あふれているのでなんとか美味しく調理できないものかなあと読みながら考えてしまった。
ダチョウは食べたことがあるので、兎やカエルくらいは一回食べてみたい。
スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)
「学校でそんなことが許されているはずがない」という強烈な怒りに突き動かされて私は学校で起きる性被害「スクールセクハラ」の取材を続けてきた——(カバー折り返しより)

2014年の本です。
いまもなお変わらないんだろうなあという学校側の体制や、明るみに出ない性被害が数多くあると思うとやりきれないし腹が立つ。
ここに登場する第三章の教師の言動は特に感じるものが多くて、強者の立場からこうやって支配するんだと、この本みたいに別のケースとして俯瞰できるものがあると、忘れようと思った怒りがふつふつと。
自分語りは置いておいて。
ケースは女生徒ばかりで、男子生徒のこともちらりと触れられていますが、性別関係なく見過ごさないでほしいと思うし、教師同士にも起こりうることなんだと忘れないでいたいと思いました。
後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)
後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという——。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の許を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。
誰もが知る"彼女"の、誰も知らない正体。(裏表紙より)

面白かった! あわいの世界を描きながら中華後宮ものという、華やかな場所を選びながらもしっとりとした雰囲気を楽しみました。
なにせ語句の選び方が綺麗なんだよなあ。中華ものはどっしりした印象があるんですがこの作品は語句が優美で綺麗な気がして、雰囲気にとても合っていたと思います。
後宮ものなのでどろどろかと思いきや、そうしたものとは薄い壁を一枚隔てたところにあって、謎解きも妖しのものとそのわざを用いていて美しくてファンタジックだなあと感じました。こういう柔らかくてしとやかなお話、好きです。恋愛に振り切らないところもとてもよかった。
ピンクとグレー (角川文庫)
大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。(裏表紙より)

すごかった……。脳みそが揺れた。ピンクとグレー、色は違うけれどどちらも中間色。曖昧になる相手と自分、かあ……。
小学生のときの出会いから青年期の別れまで、印象深いエピソードとともに、大貴の視点から真吾を追っていく。そしてその事件をきっかけに、大貴はさらに真吾=白木蓮吾の思考をトレースする。あのとき彼は何を考えていたのか? ということを演技以上の同化で描くので、後半はとにかくぞくぞくしっぱなしでした。最後はやっぱりああなるよなあ……。
中盤からラストまで一気に読んでしまった。すごかった。
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Author:月子
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