読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
奴隷のイアンは、戦場から逃げる際に、目の前に現れた“リュクサリア王家の正統な血を引く者にしか動かせない”はずの機巧鎧エリュシオンに乗り込み、そのまま操縦することに成功する。その“偶然”が、王を失い首都まで奪われたリュクサリア王国の貴族ヴィクトの目にとまり、イアンの運命は大きく動き始めた。
一方、リュクサリア王国の王女フランシスカはイアンを腹違いの兄と信じ込み……。
機械じかけの巨大兵士——機巧鎧が斬り合う戦闘。出生の秘密。決戦機と呼ばれる謎の存在——すべてを詰め込んで物語の幕が今、開く!(カバーより)
戦闘奴隷だったイアンが、王家の正統な血を引く者にしか動かせないロボット兵器に乗り込み、裏切りや戦争で混迷する王国を救い、世界の歴史に大きく記される物語……でいいのかな?
もうあからさまに怪しいヴィクトとか、いつか味方になってくれそうなマンフレートとメイとか、こいつ実は◯◯なんじゃないかっていうメイドのミリアムとか、いろいろ散りばめられていて、まだまだ始まりという感じで、実はものすごく壮大な戦記だというのが匂わされています。ここからどうなるんだろうなあ。
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鈴木英雄は35歳。冴えない漫画家で、恋人がいるもののヒモ同然の生活をしている。漫然した日々を過ごす英雄だったが、日本では謎の噛みつき事件が多発していた。恋人から息も絶え絶えの電話を受けた英雄が駆けつけたところ、人とは思えない動きと怪力で襲われる。すでに彼女は人ではなくゾンビ状態、ZQNとなっていたのだった。パニックに陥る街で、英雄は女子高生のひろみと出会い、二人でシェルターがあると思われる富士山周辺を目指す……。
原作未読。思ったよりもゾンビもので、血がどばっ、ぐしゃっ、痛い痛い痛い! っていうシーンが多かったので、グロ耐性がない人は要注意。うまく話をまとめたるなあという印象で、見せ場が多くて見入ってしまいました。
冴えない男が少女を守り、コミュニティの中では埋もれてしまうものの、一本筋の通った男気を見せて守ろうと思うものを守りきる、とても熱い展開。トランシーバーで答えたところにはぐっときました。そうした息を飲むシーンもあれば、なるほど! と思わせる展開や、くすりと笑わせるところもあり、とても面白かったです。
亡命した天才音楽家ラフマニノフは、演奏旅行で全米を周り、大成功を収める。だがどれほど拍手を受けても少しずつ心を病んでいく彼は、妻ナターシャともすれ違うことになってしまう。そんなある日ライラックの花束が届いた。ラフマニノフは様々な女性との恋を振り返っていく。
天才音楽家の伝記的な映画。音楽家、そしてクラシック音楽はあまり詳しくないのでどのくらい脚色されているんだろうかと思いながら見てました。
女性たちが入れ替わり立ち替わり現れる中で、ナターシャのひたむきさが健気で、どうしてそこで彼女を選ばないのかセルゲイ!!! と言いたくなる。本当に、いつも燃えているような恋をするなあ。育てる恋、温かく包む恋はできないんだろうか……と思ったり。
音楽家としての自負や時代の流れ、故国への思いに翻弄されたとしても、繋ぎ止めてくれる愛や家族があれば人はそれでも強く生きていけるのかもしれない。
確かに俺はレイにできるところをみせて、男として意識して欲しい。——でも、その手段が女装ってなんか間違ってないか!?
立太子の試練で、切れ者と名高い南国の王から真珠の外交権ゲットを目指す、ハウゼンランドのアドルバード王子。女好きな王の攻略のためとった手段は——絶世の美少女と名高い双子の妹姫・リノルのフリをすること!? 密かに想いを寄せる男装騎士・レイをお供に、アドルのミッションは成功する……のか!?(裏表紙より)
女装王子と男装騎士、策士美姫の妹に、敵対する話の通じない腹黒従兄弟たち。
そんな中で、王子と騎士と妹姫が南の国で立ち回るお話。
表紙だけ見るとBLかもしれませんが、きちんとヒーローとヒロインがいるよ!笑
女装王子だから猪突猛進あるいはちょっと軟弱なのかと思いきや、大変男前かつ王子としてのスキルはきちんと持っているアドル王子。しかしチビなのがとてもいいです。15歳、まだまだ伸びしろがあってとてもいい! 将来有望!
お互い相思相愛だけれど立場を理解して適切な距離を保っている、騎士のレイ。二歳年上の17歳。彼女の冷静沈着さと、揺れるけれど芯を持っているところがとても素敵。過去話や彼女の視点のときに、ああ本当に好きなんだなあというのが感じられてじんわりしました。
暗躍していた従兄弟たちのことが残っているし、続き読みたいなあ! アドルの活躍がもっと見たいなあと思った、楽しい作品でした。
男嫌いの聖女・リズは、政略で敵国に人質として預けられることになってしまう。これも試練、と敵国に向かったけれどなぜか『罠王』と悪名高いディルク王子と結婚する契約になっていた上、リズの役目は正妻でなく愛人!? しかもディルクは、リズを男嫌いにした張本人で……。「聖女の面目躍如のため、私、正妻になってみせます!」いろいろたくさん“わけあり”聖女が、腹黒王子と紡ぐラブファンタジー(裏表紙より)
タイトルを読んだ印象そのままのヒロインでした。最近はこういうタイトルが多いですけど、こういう喋り方するヒロインってあんまりいないと思うんですよね……っていう偏見は置いておいて。
受難続きの挙句に中継ぎ的な聖女セシリーになってしまったリズ。信仰心の強いリズは罠に嵌められたものの、「これも試練」と右往左往しながらも立ち向かうことに。しかし歪められた『信仰』に気付いて……。
たくましいのかはわわ系なのかっていうリズに、ノーラが厳しいことをいうのが面白いなあと思いました。何かあるんだろうなとは思っていたんですが、最後はノーラとしてずっと一緒にいてツッコミ役をしてくれてもよかったのよ!
離婚することを前提に、身代わりとして『毒龍公クロウ』に嫁いだフェル。けれど「離婚は絶対にしない」とクロウに断言され、フェルにとっては一大事!! そんな彼女にクロウは、「勝ったら離婚してもいい」とある賭けを持ちかけた。こうなりゃ勝って、めでたく離婚! と張り切るフェルだったが、さらなる問題が!! えっ、あと一週間で離婚できないと戦……争!? フェルのニセ新婚生活、第2弾!(裏表紙より)
身代わりとして嫁いだフェル。その身代わりに気付きながら、本当はシレイネ姫ではなく、シレイネ姫の姿をした彼女(つまりフェル)が欲しいと一巻最後の小話で明かしたクロウですが、今回は完全にフェルをロックオンしたクロウに泳がされながら、いかに離婚を取り付けるかという攻防のお話。
だいぶとファンタジーな設定が出てきたなあと思ったら、最後。ああやっぱりあなたがやばい感じの人でしたか……。さんざん「フェルがどうしてシレイネに似ているかわからない」という話もしているし、今後もっといろいろ出てきそうで楽しみです。
病弱な王女の身代わりとして、鬼畜な策略家と噂の敵国の皇子『毒龍公クロウ』に嫁ぐことになったフェルディア。彼女に与えられた使命は、クロウとの“円満”離婚! ……のはずが、いきなり新婚初夜に襲われたあげ句、軟禁されるってどういうこと!? 怒り心頭のフェルは、下町育ちゆえの特技を活かしてクロウを探るが…!? こんな男、絶対離婚してやる! ——フェルのニセ新婚生活、スタート!!(裏表紙より)
もだもだすると噂のシリーズ、ようやく読み始めました。めちゃくちゃ楽しかったです。
ど庶民で守銭奴、いくつものバイトを掛け持ちしてやたらスキルを持っているフェルディアが、王女の身代わりとして嫁ぐけれど、旦那様に当たる皇子はどうも二面性があるようで。いったい本当の彼はどっち? 自分のことをどう思っているの? ともだもだする話なんですが、熱い展開もあってきゅんきゅんしました。
最後に入っている小話の「太陽のように思えたのだ」というところに、クロウの秘められた傷を感じて泣きそうになってしまった。そのシーン、めっちゃくちゃかっこよかったんですよね!!
楽しみに続きを読もう。
黒十字騎士団団長ヴィンセント王子の屋敷に滞在中の田舎貴族の娘フィーリア。彼女がある朝起きると、そこはふかふかのベッドの上ではなく、走る馬車の中だった!? しかも、なぜかヴィンセントと「駆け落ち」していることになっていて——。私、ヴィンセントの恋人でもないし、まだ愛の告白もされてないのに、どうしてこんなことになってるの!?
愛の逃避行で2人の仲は急展開? 一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ第3弾!(裏表紙より)
雑草根性という表現がぴったりくる強くたくましいフィーリアと、悪魔と恐れられるヴィンセント王子のラブコメの第三巻。あー笑った笑った。フィーリアが本当にいいキャラしてるなあ!
駆け落ちついでにフィーリアの故郷プロージャに帰省。でもその目的は……というものなんですが、告白していないけれどお互いに好きだし大事なんだなあというのが伝わってきて微笑ましかったです。それだけに早く素直になれよヴィンセント! ともだもだしました。ちゃんと言ってあげたら、フィーリアも笑ってくれるのに、わかってないなあ。
「上から狙って頭をバン」のくだりは緊迫しているのに笑えてしょうがなかった。そりゃ必死にもなるわ!
婚約もしたけれど結婚までいろいろありそうだなあ。
〈就活〉と〈SNS〉に"本当のこと"はあるのか?
就職活動を目前に控えた拓人は、光太郎、瑞月、理香、隆良と頻繁に集まるようになる。だが、SNSや面接で交わす言葉の奥の本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。
ラスト30ページ、物語があなたに襲いかかる——。
直木賞受賞作!(カバーより)
心臓が鷲掴みにされたみたいになって、気が遠くなりそうだった。現役就活生だったら多分心臓が止まってたと思います。身につまされて痛くて痛くてしょうがなかった……。
キーワードは「就活」「SNS」。ツイッターでアカウントを持っているといえば、わかりますね? という感じで、途中でカバーにあった内容紹介を読んでどんなどんでん返しをされるかと思ったら、ひって言っちゃった。
拓人の視点もわかるし、他のメンバーの気持ちもわかるんですよ。こういうことだろうな、こういうこと思ってるんだろうなって。人のアカウントや発言にもやっとした気持ちを抱くことも。何度読み返しても心が痛い……吐きそうになる……。
「何者にもなれない私たち」という言葉や、「何者かになりたい私」という言葉がぐるぐると浮かんで、すごい読書体験でした。面白かった……と言っていいのかはわからないけれど、刺さりました。