忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[196]  [197]  [198]  [199]  [200]  [201]  [202]  [203]  [204]  [205]  [206
Friends (集英社オレンジ文庫)
カスミには高校からの親友、中岡碧がいる。碧がカスミの髪型や持ち物を真似することからはじまった友情だけれど、同じ美大に進んで、今でも仲良くやっている。だがある日、高校時代の友人から「碧とばかりつるんでいるから恋人もできないんだ」と言われ、カスミだけ合コンに誘われてしまう。それ以来、カスミは碧との“友情”についてもやもやと考え続けていて……?
私たち、無理して変わろうとするのやめない?(裏表紙より)

『雨のティアラ』に登場した三姉妹の、長女カスミのお話。メグムが白墨邸で家族の秘密と出会っているとき、カスミは親友の碧のことを考えていた。
種明かしにえっそれずるくない? と思ったものの、ううんしかし実際こういう子もいるよなあ、とちょっと考えてしまいました。そう考えてみれば作中でちらほらジェンダーレスな会話や設定が見られたのはこういう意味かと腑に落ちる。マイノリティを描いてたんだなあ、これ。軽い読み心地の話だけれど、「自分らしく」の難しさと、そうあろうと決めた自分たち、そして周囲の理解のありかを描いていて、優しい話だなあと思いました。
PR
精霊歌士と夢見る野菜 紅色の祝祭 (角川ビーンズ文庫)
国を支える『精霊歌士』を目指すメロウは、野菜しか作れない落第生。自分の心を奪った才能をもつエイディに追いつこうと奮闘中だが、まさかの補講を受けることに。講師は、カリスマ精霊歌士で、性格最凶のヴェルク。彼は収穫祭の舞台で「林檎の木を“三重唱”で実らせる」という難題を突きつけてくる。林檎のためには“恋の歌”が必要なのに、ヤキモチからエイディとぶつかってしまい!? 第11回小説大賞受賞作、待望の第2弾!!(裏表紙より)

野菜しか作れないメロウは、音楽院の入学試験に落ちて、現在は予備学生。音楽院において天才とうたわれるエイディと同居したりもあったけれど、現在は雇用主とアルバイトの関係。そんな中、メロウは補講、エイディは収穫祭の大トリを任されることに。
新キャラも登場しながら、メロウ周りの事情がちょっと明かされた感じ……というのかな。いや女王陛下の謎が増しただけかもしれない。ともかくメロウが次なる一歩を踏み出すために頑張るのですが、とにかくラストの「追いつくから」に涙が出ました。
それってすごく難しくて孤独で恐ろしい道なんだけれど、思いの強さで乗り越えようとするメロウが眩しくて、エイディはすっごく嬉しかっただろうなと思ったから。
メロウはこの巻でちゃんと友達ができたので(エイディは恋敵ができてしまいましたが)、仲良く頑張ってほしいなあ。
若奥様、ときどき魔法使い。 (コバルト文庫)
魔女が玉座に座り、貴族は魔法使いであるオムニア王国。優秀な魔法使いであるバイオレット伯爵レンの妻ローズは、たまにしか魔法が使えない落ちこぼれ魔法使い。王国では、春を呼ぶ魔女——春荒れの魔女——が現れず、冬の精霊があちこちで悪さを働いていた。しかも魔法使いたちが氷漬けにされるという事件も発生。そんな折、女王はローズこそが春荒れの魔女だと言い、拘束しようとして!?
落ちこぼれ魔女の若奥様に隠された力とは!?(裏表紙より)

内容紹介にあるお話「バイオレット夫人と冬枯れの魔女」、ローズとレンの結婚までの出来事を描く「薔薇とすみれの結婚行進曲」、ローズの腐れ縁(?)の令嬢リナの恋を描く「曇りのち雨、ときどき恋わずらい。」の三編。
いやあ、もう、世界観からして乙女チックで素晴らしかったです! なんて可愛らしいお話だろうか!
四季の魔女がいて、現在春荒れの魔女が不在のために冬が続くオムニア王国。この世界で魔法使いは、自分だけが使える魔法があり、ローズは無機物に命を与える魔法を持っていた。しかしとある事件をきっかけに魔法がたまにしか使えない落ちこぼれになっており。
でもこのローズをまるごと受け止めて愛してくれているレンの存在があるから、ローズは頑張ってくれるんですよねえ。いい子だ。そして素敵な夫婦だ。
気が強くて意地っ張りなところがあるリナの恋も可愛らしくて、うまくいってよかったなあ。彼女が夏燃えの魔女になったら面白そうだなあと思ったり。
命を宿したぬいぐるみが出てくるので、ああかわいいなあと思っていたら、後半には魔法バトルがあったりして、本当にロマンチックかつ大胆で素敵なお話でした。ときめきたっぷりで面白かったです。
黄金の淑女 わたしは犬じゃありません (コバルト文庫)
十三歳で逃げるように故国を離れ、隣国で宮廷女官となって四年あまり。〈黄金の淑女〉と讃えられた亡き母譲りの琥珀色の瞳も隠し、目立たず・地味に・慎ましくをモットーに生きてきた——はずが、エリアーヌは予期せぬ事態に陥っていた。完全無欠の貴公子と讃えられる、王子クロードに求婚されたのだ…! エリアーヌは強引に花嫁にされ、クロードのしつけに翻弄されるが…!? ラブコメディ!
「おまえにはまだしつけが足りないようだな」(裏表紙より)

ラブコメディと書かれているほどコメディではなく、とても可愛らしい王道なロマンスだったと思います。犬たちがいい仕事しすぎでとっても可愛らしかった。
高貴な血を引きながらも地味に暮らすことを望んでいたエリアーヌが、美貌の王子クロードに拉致され、半ばだまし討ちの形で結婚を成立させられてしまい、お妃にふさわしい教育を受けさせられる……んですが、随所に挟まるドレスの話にもうきゅんきゅんしました。それをクロードが用意させたのが面白すぎるけれど、可愛いドレスとお着替えは楽しい! ロマン!
そうして敵役のシャルルの憎らしいこと! 陰湿でだいぶとやばい感じのシャルル王太子のエリアーヌへの仕打ちに対して「あの下衆野郎を八つ裂きにして運河の底に沈めてやりたい」と吐くクロードへの好感度がぎゅーんと上がりました。ちゃんとしっかり守り通してくれたし。
いろんな要素がとても可愛らしいロマンスでした。
ユニコーンの聖乙女 聖獣と乙女の契約事情 (一迅社文庫アイリス)
「我が乙女になる気はあるか」
両親を失い、結婚させられそうになっていた田舎の町娘・オルナを助けてくれたのは、ユニコーンのクインティゲルン。契約し彼の乙女となったオルナは、恩返しのため立派な乙女になることを決心! 王都の館で新生活を開始するけれど、ユニコーンの彼と会えるのは夜だけで——?
結婚回避の手段は、聖獣との契約!? 癒しの力をもつ乙女とユニコーンの青年の凸凹契約ラブファンタジー!(裏表紙より)

ユニコーンと契約した乙女は、人々の病や怪我を引き受け、その傷をユニコーンに癒してもらうことを繰り返し、人々を救う聖なる存在。両親を亡くしたオルナは偶然ユニコーンと出会い、彼に助けられてユニコーンの乙女たちが暮らすレーアの館で奉仕活動を行うことになった。
物語の入り口という感じのお話で、オルナがいかにして乙女となり、聖乙女と呼ばれ始めるようになったかがわかる。できればオルナとクインティゲルンが一緒に頑張るところをもっと見たかった!
乙女になったオルナもいい感じだったんですが、冒頭の、両親を亡くしたオルナがクズ男とその父親にいいようにさせられそうになってクインティゲルンに助けられるまでがめちゃくちゃ面白かったです。なんでそこかと言われると、これがもう、婚約者(仮)のラドが笑えるくらいクズで! クインティゲルンにびびりまくった彼にざまあ! と思うのが大変楽しかったんです。
詩人の夢 (ハルキ文庫)
自らの罪で詩人を死に至らしめたことを悔い、「真実の恋」を諦めたまま、詩と音楽に慰められて大人になってゆくシェプシ。神の言葉が解明され、禁囲区域であった紫の砂漠は解放されて、世界は混沌をきわめてゆく。天変地異、政変、急激な変化の中で、優秀な書記としてのぞまれながらも、詩人になることを選んだシェプシの運命は……。名作『紫の砂漠』の待望の続篇、書き下ろしにて登場。(裏表紙より)

旅を終えたシェプシは、書記になるための教育を受けながらも詩人になることを諦めないでいた。周囲の反対をおして詩人になったシェプシだったが、砂漠の禁忌が解かれたことで世界は急速に変革していく。書記、巫祝、祈祷師という三つの派閥と、「神の箱」によって生まれた親を持たない三人の子どもたちを巡って、天変地異や政変に巻き込まれていくシェプシ。
異星でのSFファンタジー。シェプシのその後がわかります。
神々の手によって閉ざされていた世界が開く様が、恐ろしいようで悲しいようで。翻弄されるシェプシの悲痛な思いが胸に痛い。けれどその結末は「欲しいのは子どもじゃない。あなただ、シェプシ。なぜ、わからない?」という、運命の恋ではないかもしれないけれど、片割れを見つけたという幸福だった。
遠い世界の物語、堪能しました。
グーグーだって猫である Blu-ray スペシャル・エディション
吉祥寺に住む天才漫画家麻子。無類の猫好きだった麻子だったが、愛病を亡くした悲しみで何も手につかなくなってしまう。しかし新しい猫を迎えることになり、グーグーと名付けた猫とともに暮らし始める。賑やかなアシスタントたちや不思議な青年と関わりを経て、新作の構想を練るが……。大島弓子の漫画が原作。

漫画家の生活、というよりは猫のいる生活を、様々な人のお話と絡めて作品だったなあ。全集が出るほどの漫画家である麻子だけでなく、アシスタントの若い女の子たち、のうちに一人の、思うようにいかない日々や恋や仕事の悩みなんかが、ちょっと古い時代のものとして描かれているのが、見ていてちょっとセンチメンタルな気分になる。
紫の砂漠 (ハルキ文庫)
遙かかなたの地平線まで、鷹揚に風の紋を刻んでただただ広がる紫の砂漠。なにかが呼んでいる——砂漠の果てに生まれ、砂漠とともに過ごし、砂漠に強く心惹かれるシェプシは、神の領域であり、禁域とされている紫の砂漠へ思いを募らせる。四つの月を持ち、「真実の恋」によって男女の性差が決定するこの星で、シェプシの冒険がいまはじまる。芥川賞作家・松村栄子がおくるファンタジーノベル。(解説・高原英理)(裏表紙より)

ファンタジーっていってもきっとSFなんだろうなあと思ったら、しっかりSFでした。
立ち入ることの許されない紫の砂漠に憧れるシェプシは、周りの人々と違って「丸い耳」を持つ子。七歳になって同じ歳の子どもたちとともに「運命の旅」に出て新しい親元に行くはずが、旅先案内人である詩人と詩人の語る様々なものに好奇心を刺激され、ついに旅の途中で砂漠に向かうことを決意する。そして砂漠で出会ったのは、自分と同じ丸い耳を持つ、自分の知る世界とはまったく異なる道具を使う人たちだった。
詩人の名であり、砂漠で出会った子の名である「ジェセル」という名が運命として廻るのが面白いなあと思いました。最後は、ああやっぱり……という気もしたし、悠久の、果てしない時の巡りを感じてちょっと呆然としたりもして。いいSFでした。
氷結鏡界のエデン  楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)
『対・穢歌の庭術式へ移行了承。——第七天音律を結んでください』
 結界を張るよう要請された少女の頬を、透明な滴が滑り落ちる。
「シェルティス……わたしたち、本当にもう会えないの?」
 幽幻種と呼ばれる存在に、人が侵される世界。巫女の祈りで守られた浮遊大陸オービエ・クレアでのみ、人は生きることができた。
 結界の巫女・ユミィは、ある少年を待っている。巫女を守る護士だった、幼なじみのシェルティス。大陸から堕ち、異端として追放された彼は、かつてユミィと約束していた——必ず君の隣に行く、と。
 世界の理を体現する少女と、世界の理に拒絶された少年。
 二人の想いが錯綜する、重層世界ファンタジー、開幕!(裏表紙より)

これはとてもいい少年少女!!!!!
世界を守る巫女——世界の中心であるそびえ立つ塔に住まう巫女のひとり。
世界に拒絶された少年——少女の隣に行くと誓ったというのに呪われてしまった。
少女のそばを離れざるを得なかったシェルティスが、ユミィを守るため、突如群れをなして襲ってきた幽幻種との戦いに身を投じる。その最初の物語。
どんなになっても必ず君の元へ、というロマンがたっぷり詰まっていて、かつシェルティスが結構強いので安心して見守ることができるし、サブキャラクターたちも個性豊かでこの先のやり取りが楽しみだなあ、と思わせる第一巻でした。
オススメされた作品でした。オススメありがとうございました!
エンジェル ウォーズ [DVD]
継父によって精神病院に送られてしまったベイビードール。ロボトミー手術を受けさせられそうになったところ、突然不思議な世界で戦わされることに……。自らの運命を変えるため戦う少女たちのバトルアクション。

音楽とアクションを楽しむ映画なので、細かいことはいいんだよ!!
少女が剣を持って戦う姿がかっこいいぃいい……! 退廃的な施設の光景、それぞれの思いを抱くルームメイト。ダンス、バトル。かっこいいものが詰まっている。
現実と虚構が混じる世界が結局誰の手によるものだったのかというが、最後にちょっとだけわかるようになっているのが、なんだかこう、ざわざわする感じがあります。これからも戦いは続くのだし、何と戦っているのかすらわからないけれど、自由であることとか特別であることを……どう飲み込んで生きていこうかなっていう話だったのかなあ……とか。
ラスト周辺でどんどん仲間たちがいなくなっていくのに、うわああああー!(絶叫と歓喜)となれる、かっこいい作品でした。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
10 2024/11 12
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]