読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
計算が得意な巫女見習いのノトは、神殿の会計係をめざし修行中。しかし不器用な性格が災いし、仲間の巫女たちから横柄だと誤解され目の敵にされていた。そんなある夜、戴冠の儀式参列のために神殿を訪れた宰相カノンと二人、王家の陰謀に巻き込まれてしまう! 気が付くと不思議な地下神殿にいて……!? 宰相“陛下”と呼ばれるほど優秀で冷静なカノンと不器用なノトは、地上に戻ろうと助け合ううち……!?(裏表紙より)
思ったよりもしっかりと固めの話だったのでちょっとびっくりしましたが、こういう宗教やら伝説やらが絡んだ話は大好きです! ロマンチックよりはちょっぴり本格ファンタジーの味がします。そういうにはちょっと軽いかもしれませんけれども、シリーズが長いのでこれからぐいぐいくると思うと楽しみ! 別々の方向に不器用な二人が、お互いを認め合って必要とし合ってからを楽しみにします。
一番ヒロインっぽかったのは、親友のサナだなあ、と思いました。主役張れるよねこの子! 最後にああいう位置につくっていうのは、とっても美味しい。主人公をしっかり信じてくれるところもポイント高い。
あと、挿絵に笑いました。リリィのドリル巻き毛! なげー! って思わず言っちゃいました。兄のキデアがシリウス王国の関係者なら、これから関わってくることもあるんでしょうか。
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かつて神は人間たちの愚かさに怒り、彼らから魔法の力を奪ってしまった。
ところが、人は魔法を弾丸に封じ込め銃器で操ることを思いつき、
ふたたび「力」を手に入れることに成功する。
世界は殺伐とした戦争の時代へ突入した。
少年セドリックは、姉のエルウィング、テロリストの少女アンブローシアと共に世界の命運を分けると言われる銃「銃姫」を探して旅に出る。
銃姫の引き金をひくものはいったい誰なのか。そして、銃姫の秘密とは!?(裏表紙より)
そのときシリーズを読んで高殿成分が足りない! と思い、ようやく銃姫を読むことにしました。銃姫は内容は知らないんですが、パルメニアシリーズの前史であることは知っています。
望む者の言葉を消滅させることのできる魔法の銃、《銃姫》。奪われたそれを追って、メンカナリン聖教に所属するセドリックとエルウィング、そして訳ありでついてきているアンブローシアは旅をしている。魔法と銃、魔銃士と、教会の闇、世界の闇と向かうあうシリーズ。今回は最初なので、三人のちょっとした過去が明かされて、旅が始まった、という感じ。
エルウィングが謎めいていて恐い。これ、絶対姉弟じゃないし、どっちかというと命を狙ってきたタイプだよなー。敵に敬われているってどういうことだ!
貴族制度の見直しにより庶民の扱いになり、貧乏生活を送ることを余儀なくされていた元公爵令嬢のジーナ。金策に四苦八苦していたところ、突然王室からプリンセスに内定したという知らせが! だが王子には美貌の恋人がいるはず……。案の定、王子はジーナに偽造結婚を持ちかけてくる。どんどん王子に惹かれていくジーナは募る嫉妬とプリンセスとしての義務に揺れていき——!?(裏表紙より)
現代寄りの王室恋愛もの。国からの援助を失いながらも、膨大な領地の管理をするがために貧乏となった多くの貴族。ジーナの家もそのひとつだ。学校では、ジーナを目の敵にしている少女と同じクラスになりたくないがために、一般クラスに通っている。だから王子様との接点はないはずだったのに。血筋によって選ばれてしまったプリンセス候補に、王子が偽装結婚を申し込む。
姫ものでも、プリンセスとしての立場や周囲の状況が現代っぽくて面白かったです。お忍びで行ったコンサートで人に囲まれるって、ロマンだなー。
全体的に文章がこざっぱりしているのですが、あとがきでえっと思う文章が。直しがなかったって、まじですか……? それはどうなんですか出版社さん。
88年5月刊。地元の新聞「千里タイムズ」に連載された、絵本の紹介コラム。十年続いた連載の七年目から九年目をまとめた一冊。公民館や文庫といった社会教育についてもちらり。自分が絵本をほとんど通らずに活字に行ってしまったので、絵本についてよく知ってみようと読みました。
有名どころや勉強したもの以外は、ほとんど分からない自分にがっくり……。四百冊以上紹介したと書かれていましたが、まだまだあるって、すごいなあ、奥が深いな絵本。
なので、絵本のことよりも、子どもたちが文庫での活動でどんな風に生き生きと過ごしているか、を読むのが楽しかったです。感じることはそれぞれなのだな、と思うエピソードがあり、著者の正置さんがはっとすることがあったり……。子どもは読んでもらうのも好きだし、読むのも好き、というのは面白いなあ。楽しい本はやっぱり声に出して読んでも楽しいですよね。
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」フリーライター・高原晶の一言から生まれた、渋谷のホストクラブ〈club indigo〉。店の評判は上々だが、なぜか次次と事件に巻き込まれる晶たち。それらを解決するために、個性的なホスト探偵団が夜の街を活き活きと駆け巡る! 第10回創元推理短編賞受賞作を含む連作短編集。(裏表紙より)
昼ドラでやっていたのを見て、面白いなーと思っていたのを、数年越しに原作を読むことにしました。主人公である晶が、女らしくなくてかっこよくて面白かったんですよ! 原作はもうちょっと荒事に慣れている感じでした。読みながら、これ見た見た! という話が収録されていて、嬉しかった。
個性豊かなホストたちの言動や、イマドキの子たちのちょっと寂しい価値観とか、楽しさや謎解きの裏でひやっとすることが多くて、どきどきしました。表題作「インディゴの夜」は、悲しくもあって。今違う出版社で、表紙の違うのも出ているんですね。こっちもかっこいいなあ!
悪神の継承者には、“愛する者の記憶から消される”という呪いがかけられるという。《籠手》の継承者フランチェスカは、思いもかけない人物が《仮面》を継承したと知って、パルメニア王宮に乗り込むことを決意する。一方《鏡の盾》を継承し、最愛の妻から忘れ去られたパルメニア国王ミルドレッドⅡ世は、失意のうちに新たな政略結婚の相手を捜しはじめていた……。いよいよ物語はクライマックスへ——怒涛のシリーズ第3巻!(裏表紙より)
面白かったー!! 人の運命がころころ転がる話は楽しいです。フランチェスカは今回もすごく頑張ったし、彼女を憎む人の気持ちもよく分かったし……。何より、アリーという人が実は本当にすごく悲しい人なのだというのが……胸にくる……。その分、絶対無敵団のギャグ要素がなくて寂しいと思ってしまいましたが!
アリーとセルマの短編「透き通った銀の羽根」収録。甘くて寂しい、逢瀬の物語だなあ……。
本編「そのとき君という光が」は、やっぱりラストがすごくはああ……! ってなるのと、そこに至までの加速がすごくて、面白かった。歴史がこうやって紡がれて、その結末が分かっている中で、刹那的なのに確かに息づいている人って、すごくいい。アリーとロジェの絆が、途切れないでいて、と願うくらいに切なくて。ほんとよかった。
リィとシェラに社会体験学習の順番が回ってきた。
中学生と高校生に義務づけられた授業の一環で、実際の職場に働きに行って経済活動を勉強するものだ。人前に出る仕事は避ける方向で(目指せ一般市民なので)悩んでいると、ひょんなことから潰れかけた料理店の立て直しという話が舞い込んだ。
引き受けた以上は徹底的に、とばかりにシェラ特製の制服で宣伝に努める二人の姿に人だかりは絶えることなく店は大繁盛! だが、艶やかすぎる容姿はヤバいものまで引きつけた……?
裏通りの小さな料理店に端を発した学園都市によくありそうな出来事は、やがて(いつものとおりに?)ややこしい事件へと変貌する!(裏表紙より)
日常の延長と事件なのだな、と感じる三冊目。今度は体験学習。潰れかけの料理店の立て直し! というのはとってもわくわくします。リィ、シェラ、ルウの三人の能力が遺憾なく発揮されるので、なんかボーナスステージみたいだなと思いました。
しかし料理が旨い旨い繰り返されるのでおなかがすきます。
表紙めくったら、カラーページがおっさんでびびる笑 リィもシェラも、「暁の天使たち」の絵を思うと、だいぶと大人になってきたなあ!
「たったひとつでもいい、心に鋼より固いものをもっているか」悪神の篭手《タンクレード》の後継者となり、無敵の腕力を手に入れたフランチェスカ。だがその代償で、フランには“愛する者の記憶から消される”という呪いがかけられてしまう。忌まわしい呪いを解くため、他の継承者の行方を追うフランのもとへ、仮面《リトス》に関する情報がもたらされて……?
想いは交錯し、やがて大きな流れとなる。待望の続編登場!(裏表紙より)
シリーズ二巻。ゼフリートの持ち物を集め、忘れられるという呪いをどうにかしようと、絶対無敵団とともに旅をするフランチェスカ。今度の街は、男街と女街に別れ、家族という共同体が存在せず、養子をたくさん持っている人間が裕福であり権力者である、というエシェロンの階層の街、天空都市。今回もまた、人の誇りとは、生きることとはを問い、女皇と対決するのですが、フランがあくまで普通の一般市民なので、そうなのかと納得する部分には共感するし、それって違うでしょう! と怒るところは気持ちいい。そして相変わらず台詞やラストが震えが来るほど面白くて! 主従のアカン感じとか、いいよねー。
ルウ、リィ、シェラの三人は先日、『困ったことがあったらご相談ください』という、実に大雑把な課外活動を始めたばかりである。
すると、ライジャが躊躇いがちに言い出した。
「その定義には人捜しも入るのだろうか?」
ライジャの元に届けられた、ともかく派手で(リィに「おれでも身につける勇気はない」と言わしめたシロモノ!)脳裏に焼きつくプレゼント。
贈り主は自身の名を記すことなく、「いつも裸足のトゥルークの留学生の方へ」のメッセージのみ。
贈り主の正体とその目的とは?
このちょっと日常からはみ出した人捜しに、金銀黒天使が関わるとなぜかものすごい大騒動が!?(裏表紙より)
金銀黒天使+暗殺者組の、人探しから始まった事件の話。いつもより派手なパートはなく、日常の延長にある事件、犯罪です。『ファロットの休日』で登場した、ヴァンツァーの友人となった少女ビアンカが再登場。リィたちのことを理解してくれる希有な女の子です。こうして読むと、本当にヴァンツァーは第二の人生を楽しめてよかったね……! という気持ち。
短編「お師匠さんが来た!』も収録されていますが、ルウを目指してあっちへぞろぞろ、こっちへうろうろ、といつもよりコメディな感じでおかしかった。
ゼリア女神の申し子・フランチェスカ=ドラコーンは、三度の飯よりお金が好き。だがある日、悪神ゼフリートの籠手《タンクレード》を継承したことから、フランの運命は激変する。
夢とうつつの狭間で《継承者》を自称する隻眼の青年と出会い、また右腕に嵌った見えない籠手の効果で、自分が無敵の腕力を手に入れたことを知ったフランは、漢気あふれる傭兵団を引き連れ(というか勝手についてこられ)て旅に出るが……!?(裏表紙より)
パルメニアシリーズ。あちこちのシリーズを細切れに(しかも途中放置とかで)読んでいるので、どこの時代に位置してどの作品の後ろなのかが把握できない読者でごめんなさい。
女の子が主人公! そして明るい! コメディ(ばか)要素がある! と楽しく読みました。ちょっと底知れず恐いところがあるのはいつもの高殿さんの持ち味で、やっぱりすごく面白かった。
三度の飯よりお金が大好き! 金儲けのセンスはぴか一のフランチェスカだからこそ、人のこと、人がまわす経済のことを理解しているので、その気持ちよさがあるなあ。だからこそ、人の闇に気付いてぞっとすることもあるわけですが……。
しーちゃんが可愛い。ラストは上手い! と叫んでしまった。やーそういうラストが読めるのはやっぱりいいなー。