読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
西炯子さんの『STAY~ああ今年の夏も何もなかったわ』を映像化したもの。六編の短編映画連作。美少女女子高生たちが見たかったので……(欲望に忠実)
原作は「何もなかったわ」と言いながら、彼女たちには何かしらあったんですが、映画は、本当にまるで何もないような、普段通りの風景で、かつちょっとだけ非日常がある。誰かと関わることで、ゆっくりと人生が転換していく感じだなあと思いました。高校三年生の夏ってそういうものかもしれないなあ。この中で年下のリカがまだちょっと夢見ている感じなのが、またぐっとくる。
夏の緑とか、雨の多い風景が印象的で、セーラー服の女子高生たちの、大人びた寂しさと可愛らしさがね! とってもよかったなって思います。私は昔から、学校に集まっている制服姿の女子たちのスナップが好きなので(こう書くとマジで変態だ)、DVDに収録されているスナップショットはでれでれして見ました。いやーセーラー服美少女はいいね! とってもいい!
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アニメ「新世界より」完走しました。面白かった!! 一話一話はなんだかふわっとした感じで、長編映画でぱきっと見たいと思ったんですが、この話数なので一話ごとに演出が凝っていて、とても面白かったです。序盤の放り出され具合はちょっとぽかんとしましたが、中盤くらいから一気に面白くなってきて、人間の営みとはということを考えました。
最後までノスタルジーを描ききったのがすごいなあ。早季が最後に思い出していたのは、家と、十四歳までのみんなのことで、あの頃の私たち、あの頃の世界、というノスタルジックがすごい。「帰りの音楽」である家路が流れるのが本当に。どんな世界でも最後には家路をたどって家に帰るんだよなと思うと、なんだか泣けてしょうがなかった。
面白かったー……ほっと最後に息を吐く感じだった。面白かったー。
映画のレミゼDVDが発売されていますが、私は映画館で見たのでこれを見てました。舞台版の役者さんたちのコンサートです。全曲収録で、細かい台詞と動きがないだけで、話を知っていると全部把握できるのですが、二時間以上も止められずに見ているんだったら、映画を見ればいいのにと自分に突っ込みました。
皆さん舞台映えするお声の持ち主なんですが、映画にも出たエポニーヌ役の方は、また違った輝きを持った人だなーと思いながら聞きました。生で聞くのもいいのでしょうが、映像で見て聞いていても澄んだ声というか。皆さん素晴らしいんですが、エポニーヌはとっても可愛い女優さんでつまり好みということですすみませんでした。
映画ももう一度見たいと思っています。
空気感がとても素敵だった。どこにでもいる少年とどこにでもいる女性の、存在しているという空気感がすごく。なんて表現していいのかなー。いるいる! っていう感じじゃなくて、少し離れたところで存在を感じているような気がする。例えば、御苑を歩いていると、あの東屋に女性と少年がいるのが見えて「誰かいるなー」と通り過ぎるような。なんだろう、ある程度距離があるのに、私がそこに誰かいるということで想像できる物語を詰めたような、胸にしっくりと馴染む作品だったように思います。
序盤は特にそうだったんですが、終盤にかけての加速がすごくて、ドラマチック。二人の心の些細な動きが、表情だけは声だけではなく、映像の端々から見えたりして、すごく素敵でした。
またテーマソングがいいんだよなー! 思わずDVDを買ってしまいました。
懐かしい「スレイヤーズ」無印、しかも最近のリメイクではないやつを見ました。実は『スレイヤーズ』は読んだことがないという。私の知識は子どもの頃にやっていた本放送と、朝のこどもアニメ劇場なので、どういう話かというのはさっぱり覚えていませんでした……。
ほうほうなるほど! と色々発見が多くて面白い! コメディとシリアスのバランスが最近とは違って、見ていて緩急を感じられてかぶりつきで見てしまった。子ども向けにしてあるのか、かなりどうでもいい笑いの部分が多かった気もするんですが、たまにうまいこと言うのが面白くて!笑 最近の綺麗作画とか動きぬるぬるもいいんですが、やっぱりストーリーとキャラクターだなあと思わずにはいられませんでした。全体を通しては繰り返しが多いのでちょっとたるいのですが、一話一話が面白くて。ファンタジーの世界観、魔法とか、RPGなのはやっぱり原点だなーと思います。呪文のわくわく感! 勇者魔王ものの色々が書かれている現在、きちんと研究し直してみるのも楽しそうだなあ。ゲームっぽいファンタジーから遠ざかりつつあったので、久しぶりにこういうものに触れてすごく面白かった。
などと、完全に研究用に見ていたんですが、本当に面白かったです! リナの最強具合がいいなあ! 安心して見てました。戦闘はきちんと頭を使ってやるところがかっこいい。天才魔導士の自称は伊達じゃないな!
アニメ版本編最終話にして、原作『図書館革命』に相当する内容の映画。この前実写の方を見に行ったので、アニメの映画も見てみることにしました。
アニメはアニメで、恥ずかしくていい感じですね! 当麻蔵人亡命までのはらはらどきどき、それからきたー!! という興奮は、やっぱりすごく面白かった。当麻先生といえば、出てくるものがいちいち有川作品パロディだったので面白かったです。郁と堂上が別行動する時、当麻先生いたたまれないのでは……と思って笑ってしまった。
郁がちょっと馬鹿っぽいですが、元気がよくて可愛いです。柴崎は美人だし、手塚とのあれこれを見ることができてにやにやしました。この不器用カップル、もうちょっと何とかならんのか!(もだもだ)
ラストのあのキスシーンはとても綺麗で、清々しくて、見ていてなんだかほっとする気がしました。にやにやでした。
売春が公認化されて数年。中学を卒業した長妻蕗苳は、兄に命じられ、借金返済のために吉原の男の廓・花降楼へ売られていくことになった。そんな蕗苳が吉原へ発つ前日。憧れていた伊神旺一郎に告白され、ふたりは駆け落ちをするが、兄に邪魔されてしまう。そして月日が流れ、蕗苳の水揚げが決まったある日、花降楼に旺一郎がやってきて蕗苳を水揚げするが、指一本ふれず……。はたしてふたりの恋の行方は?(裏表紙より)
指一本ふれずって、触れてるよ!? 思いっきり二人で過ごしてるよ!(あらすじにツッコミ)
花降楼シリーズの途中巻を人に勧められて読んだことがあって、遊郭物が好きだと自覚したので一巻から読むことにしました。遊郭は遊郭でも、男の遊郭です。
旅館の次男坊で甘やかされて育った蕗苳。旅館の従業員の息子で昔よく命令させていたりもした旺一郎。攻めの方が受けの方に邪な思いを抱いてしまったために離れてしまう。そうして受けが「嫌われたんだ……」と苦悩する王道を踏んだ上で、さらにすれ違いの上に、受けは遊郭に売られてしまう。数年の後、ちゃんとのし上がってきて、登場してくれる攻めがかっこいいです。
このシリーズ、今まで読んだのでは廊での生活(受け視点)で書かれるらしくて、ヒーローが何をやっているのかというのが分からないのがちょっと残念なんですが、廊での日常が好きです。個性豊かな子たちがなんだかんだ言いながら仲良くしたり反発したりしているのが楽しくて。
「救国の天使」と呼ばれるエローラは王室直属の防衛隊で最強の女子。なぜか彼女の元に配属された新入隊員は王子様。年齢差&身分差の凸凹コンビは気づけば、互いに惹かれてしまって……。けれどエローラに想いを寄せる生意気な同僚の美少年や、ナルシストな元カレにも狙われ、三角関係どころか四角関係に! 美形で変人ばかりの部隊で繰り広げられる、年下王子との恋の行方は!?(裏表紙より)
初ティアラかも? ちょーシリーズでおなじみ野梨原さんのTL作品。楽しかった! 内容紹介ほど四角関係していません。エローラが対デービット防衛で他のことが眼中にないのと、ヴァーツラフ王子がめっちゃ強烈な矢印を出しているせいです。
デービットと呼ばれる謎のゲル状生物によって危機に瀕した国で、唯一の対抗手段であるエローラ。しかし、同じ能力を持っているらしいヴァーツラフが配属されてきた。会話の内容とかセクハラシモネタの連続で楽しい裏で、実はすごく深刻な真相の、ギャップが。いやでもエロさんもヴァルもかわいい。
8月10日が何なのかというのはすぐに分かりますが、救国の天使が毎日普通に、食事して、どろどろの状態で風呂に入って、死ぬほど仕事して、ちょっとこいつかっこいいなって思ったりする、その普通さがぐっときた。
でも中でも一番いい男なのはやっぱりエルンスト先輩です。先輩まじ。先輩……。最後までいい男!
魔法と科学が交わり、人々が地上から離れて暮らす異世界。名前と生き別れた弟以外の記憶を失くしてしまった少女・イスカは、おたずね者の空賊団、アルトレオのお頭・ヤフェトに拾われ、行動をともにすることに。ヤフェトと空賊団のメンバーたち、そして偶然助けることになった空軍の青年・ルヴェンとともに、少女は失われた記憶と隠された世界の秘密に迫っていく—―。交錯する3人の運命が切なく胸に響く、空の恋愛ファンタジー。(裏表紙より)
空と魔法と科学の世界。記憶をなくした少女が、大切なものを胸に抱えていこうとする物語、の序章っぽい感じでもっと読みたいけど続きないんか!! ピュアな女の子が、世界の汚いところとか、綺麗なところをたくさん吸い込んで、誰かに伝えていくというのが本当に好きなので、是非イスカとルヴェンの関係をもっと見ていたかった!
ヴォーパルについては、多分後ろ暗い事情で出来てるんだろうなーとは思っていたんですが、あんまり予想していなかった方向で説明が来てびっくりしました。いやでもその設定とっても美味しいです。イスカの正体も意外で、そう思うとやっぱり続きが読みたいなあ……。
そういえば、何故か分からないんですが登場する人の名前が覚えられず、ちょっと苦労しました。
『金星、君に会いたい』生放送で全世界に呼びかけ、金星特急をグラナダへ呼び寄せた錆丸。スペイン内戦は止まるものの、一行はイェニツェリの追跡を躱しながら列車の到着を待たなくてはならなくなる。グラナダを出れば、次はおそらく終着駅、この世に戻ることはない。覚悟を決め残された時間を精一杯生きぬこうとする花婿候補達と、それを助けたい錆丸。彼らの旅の終わりに待つものとは? そして錆丸と金星の世紀の大恋愛の行方は? 大人気シリーズ、堂々の完結!!(裏表紙より)
すごかった。
それしか言えないけど、本当にすごかった。こういう文庫のシリーズで、一冊で区切ってでなく7巻すべてないと成り立たないシリーズってそうそうない。すごく読み応えがあって、終わりに向かっていく、それだけでこの本はすごいけれど、それだけじゃなかった。
一巻からの、子ども子どもしていた(かつ、世慣れた不幸の匂いのする子だった)錆丸が、一人前の男になる過程がすごかった。7巻で爆発してた。「何、俺の奥さん」って!! なんというかっこよさ!!! かーらーの!!! 絶望感!!!!!! 思わずびっくりつけまくるよ。たたき落とされた。もう心臓ぎりぎりいったし、涙も止まらなかった。ネタバレ書きたくないけど、あー誰かが言ってたよなーとかいうのもよぎった。ただ恋をしただけなのになんて残酷なんだろう、と呆然とする展開。上位的存在である金星にも許されないことが恋なのかとか。純粋で、だからこそ残酷。
白鎖組とか、お兄ちゃんとか、家族とか。女の子同士の秘密とかともだちとか。もうなんかいろいろすごく胸に迫るものが多すぎて、未だにまとまらない。永遠というものの在処を、錆丸と砂鉄とユースタスが全部見せてくれた気がする。
電車に乗って、最後に着く場所は。
最高の冒険でした! ありがとうございました。