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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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エグザム [DVD]
とある大企業の採用試験の最終に八人の男女が残った。窓が一切ない部屋で、試験監督や警備員に話しかけてはならない、試験用紙を損なってはならない、部屋を出て行った者は理由によらず失格、といった制限の中、試験が開始される。だが、その解答用紙に問題は記されていなかった。問題は存在するのか、解答は何だ。八十分の制限時間で、導き出された答えとは。

父がおすすめだと言うので見てみることに。物語が完全に一つの部屋でしか動かない話で、舞台映えしそうだなあという心理ものでした。面白かった。
なんとかして試験問題を探し出そうとするどきどき感から、人物それぞれの性格が分かってくるはらはら感、後は人物への腹立ち感笑 ホワイト、むかつくわー。人種的な問題の隠喩が隠されてるような気がしてなんだか笑いながらむかむかしました。そしてアジア人はそこでアウトかー。
狭い箱の世界にも関わらず波乱に満ちていて、仕掛けもすごくうまくて、はらはらしましたが、ラストが、ラストが惜しい……。それまで絶妙な心理戦だったのにオチが失速した気がする。面白かったけど! なんかもやもや! 後味は悪くないんだけれど、ちょっと複雑な気分になる、そんな面白い映画でした。
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つぐない [DVD]
1935年。姉セシーリアと使用人の息子ロビーの愛し合う様を目撃した、十三歳の少女ブライオニー。ロビーから姉へ宛てた手紙や、大人の男女のやり取りに、激しいショックを受ける。彼へ仄かな思いを寄せていたブライオニーは、とある事件が起こった際、様々な状況からロビーを犯人だと証言した。そして四年後。戦争が起こり……。

原作はイアン・マキューアンの『贖罪』。原作は未読です。ベネさんが出ていると聞いて見ることにしましたが、そうか「プライドと偏見」のスタッフやキャストだったのか。おかげで、陰鬱な話なのに映像がとても綺麗で、すごくいい映画だったと思います。
物語を書く、多感で、大人びて、しかし本当のことは何も知らない十三歳の少女が、男女のやり取りにショックを受けたことから始まっていく物語。少女の真摯で傷つきやすい、けれど残酷な言葉が、ある人の運命を狂わせた。誰が間違っているのか、誰が犯人なのか、というのはすぐに見て取れたので、ここからどう「つぐない」をするのだろうと見守りました。第二次世界大戦に突入していく状況で、セシーリアとロビーのやり取りの後、ロビーの行軍、戦場の様子などショッキングなシーンが続くものの、残酷で、雑然として、秩序など何もないのに、不思議と美しい映像が続くので呻きました。これは、美しいだけに酷い。
そして、ブライオニーが思い出す真実の衝撃。詰る言葉は正しく、果たして彼女はつぐなえるのか……と思ったところで、そのラストですよ! それは! うあああああああ!!
その時、BGMの理由に気付いてさらに頭を抱えましたよ! あああああ最初からそうだったのかあああああああああ。
静謐で、薄暗くて、映像が美しくて、そして物語も辛いけれど美しい、すごい映画でした。これは、これは誰かに見てほしいぞ……!
文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
もう忘れた、と思っていたけど
お葬式のご用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで——小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う悩めるメガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。解説は、作家の南綾子(裏表紙より)

お葬式をテーマにした連作。最初に読んだのがアンソロジーに収録されている「はじめてのお葬式」だったのでそういうちょっとほろっとくるいい話を集めているのかと思ったら、なかなか明るくシリアスでした。結婚と仕事を絡めてあるのもずしんと来たし、家族のどうしようもない問題にも関わってくるので、なかなか辛い。ぐっと涙を堪えて頭を下げる、セレモニー黒真珠の人々が重なる。
そうかと思うと「あたしのおにいちゃん」「はじめてのお葬式」が入っていてほっとしました。特に「はじめてのお葬式」は女子学生が主人公なだけあって、吹奏楽と野球部とか、東京の学校に行くとか、それは恋です、とかで! これが一番好きだ。大人のぐっと胸を張っているお話も好きなんだけど、戻らないものを戻らないと知ってしまった少年少女たちの話が好きなんだ!
そんな二つの気持ちを満たしてくれる、いい本だった。
ファロットの休日―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
レティシアは至って気楽に声を掛けた。
「よう、ニコラ。久しぶりじゃん」
はじかれたようにニコラが飛び上がった。悲鳴を上げなかったのが不思議なくらいの過剰反応だった。
ニコラがこれほど恐怖を覚え、緊張しているのには理由がある。レティシアは小柄で陽気で気さくな性格で、まさにどこにでもいる典型的な少年の一人だが、その正体は殺人鬼である。
「その……誰か紹介してもらえないかな。こういうことに慣れていて、秘密厳守でうまく処理してくれる人」
「ひょっとして俺を犯罪組織の構成員かなんかと勘違いしてねえ?」
ニコラの眼が丸くなる。「…違うの?」
連続猟奇殺人事件の犯人(!)だったニコラが、被害者(!?)だったレティにまことに大胆な頼み事を??」
クラッシュ・ブレイズ、これにて終幕。(裏表紙より)

二巻目の『スペシャリストの誇り』の関係者だったニコラ少年が、父親を助けてほしいとレティシアを尋ねてくる「レティシアの場合」。特に殺す理由がないから、暇つぶしに、と手を貸してくれるレティシアは本当に気まぐれだけど、いいやつだ。好青年を演技しているところがすごく好きなので、楽しく読みました。
もう一本は「ヴァンツァーの場合」。ヴァンツァーは、第二の人生を歩むようになってからどんどんやりたいこともやっているし、友達も出来て我がことのように嬉しいです。年上で尊敬できる女性が好きなヴァンツァーは、その娘であるビアンカと継母であるブリジットと親しくなる。二人とも、ヴァンツァーの美しさに大きな反応をせず、あるがままに受け入れてくれる。ビアンカはある特殊な事情からだけれど、最後のシーンを見るかぎり、いい友達になってくれるようだ。
さて、ゆっくり読んできたクラッシュ・ブレイズシリーズもこれでおしまい! 続刊は課外活動やトゥルークの海賊などがあるようですが、私は一旦ここまで。楽しかった!
クラッシュ・ブレイズ - オディールの騎士 (C・NOVELSファンタジア)
ケリーはのんびりと言い出した。「ダイアンも休暇を取るそうだ。ものすごい勢いですっ飛んでったぜ」
宇宙船においてきぼりにされる操縦者も珍しいが、こうしたことは初めてではないので、ジャスミンも落ち着き払ったものだった。
「では、ダイアナが戻ってくるまで島流しだな」
「気合いを入れて遊ぶとしようぜ」
惑星バラムンディのパールビーチ——白い砂浜と青い海、珊瑚礁が魅力の保養地での出来事である。
どこにでもいるただの人だ(と、本人たちは固く信じている)が目立つことこの上ない二人に、にぎやかで一方的な危ないお誘いが続々とかかる。
どうやら、この惑星のカジノ王の一人娘オディールが関係しているらしいのだが……(裏表紙より)

『逆転のクレヴァス』にて、ダイアナが置き去りにしていった「バカンス中の二人」パート。夫婦! 夫婦! 前半夫婦ばっかりですっごい楽しかった! 最強の人たらし夫婦が当然という顔をして過ごしているのが本当に好きだ。この二人、若返ってから更に生き生きとしている。後半から、クレヴァス後のリィとシェラも参加。宇宙最強の船乗りかっこいいいいいい。親子で飛べてよかったね!! というところもあり、楽しかったです。
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死——死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する……。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか!?(裏表紙より)

ミリタリとSF。ループもの。という前情報で読むことに。
人類の敵ギタイによる襲撃を受けているその世界。やつらは「溺死した蛙」の姿を持っている。最貧国や技術を持たない国々は制圧、後に砂漠化。日本は偶然、辛うじて助かっているに過ぎない。日本が落とされれば軍の技術が低下するため、防衛は必至。そして、主人公のキリヤ・ケイジは死ぬ。
一人称視点で進み、一人称が「ぼく」なので、ループを繰り返すごとに段々とすれてきて疲弊していく感じがとてもいい。ループの原因がそれだというのはまあまあ納得がいった瞬間、オチが見えてしまい嫌な予感を抱きつつ、ラスト。やっぱりそれか! もっと救いが欲しかった! と思いながらも、キリヤは本当のループに巻き込まれたのかもしれないと思いました。戦い続ける、終わらない、孤独な戦いの日々。
瑠璃色の夜、金の朝 ― 金色の明日 (2) (ウィングス文庫)
たったひとつの願いを、少女は胸に抱いている——。

騎士ダニエル・フォーネッカーと旅を続けて一年半、訪れたウェイミス王国でミオーニはダニエルの盟友ラドリと出会った。そして、その青年によってミオーニが示唆されたのは、二人でいることがダニエルの騎士としての名誉を汚す可能性だった。ひとり思い悩むミオーニ。そしてダニエルと心がすれ違ったまま、王国の政治闘争にお互いが思わぬ形で巻き込まれた時……。
「瑠璃色の夜、金の朝」のほか、書き下ろし「薄荷色の貴婦人」を収録。ガールズ・ファンタジック・ロマン完結篇!!(裏表紙より)

よく噛んで食べるんだぞ、と浮浪児だったミオーニに優しい言葉をかけてくれた、美しくて強い金色の騎士ダニエルとの旅。ミオーニは少年に間違えられるほどの幼い容姿、ダニエルも彼女を子ども扱いして、時々女の子であることを忘れている風だ……という拾われ少女と騎士の物語、完結巻。
ミオーニはダニエルと一緒にいたいという気持ちが強くて、恋人同士という雰囲気ではなさそうな気がしていたんですが、一年半の間に「女の子扱いされたい」という気持ちが強まったようです。あんまりじたばたする様子はないのですが、一緒にいたい、離れたくないという気持ちは強くなっている。そして、ダニエルはついに、手放したくない、と思う。きゃー! と叫んでしまいました。でもやっぱりどうも保護者な感じが。いつか他の人を選んだら仕方がない、と思っている様子でしたが、もうちょっとその辺りの葛藤を詳しく! お願いします! と思ったけれどこれでおしまいなのだった。うー続き読みたい。ロマンスで!
淀川でバタフライ (講談社文庫)
“日本一おもろい旅人OL”てるこのルーツ、ここにあり! 50歳を過ぎて、腹話術師になったおかんとの爆笑バトル。石仏の如く動じないおとん。「ガンジス河でバタフライ」の前に泳いだ元祖は淀川だった! ハチャメチャで痛快な、抱腹絶倒の日常エッセイ第一弾。〈『お先、真っ白』に新作エッセイを加え、改題〉(裏表紙より)

関西弁満載なエッセイ。破天荒なおかんと石仏のようなおとんと、たかのさんのやり取りが、こんなの本当にあるの? というおかしいやり取り。大阪のおかんの無茶苦茶さは知っているつもりだったけれど、これはちょっと迷惑レベルでは! なんて思いながらも楽しく読みました。おかんの無謀さに恥ずかしい思いをする時期って、あるよね……。
友人たちのキャラもすごく、特にいい間違いはすごい。コントでしか見ないよ!
かと思えば、青春時代のきらめきと静かな影の出来事を書いていたりして、しんみりもする。
逆転のクレヴァス―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
食事だと言われて居間へ移ったリィは、その瞬間、顔をしかめた。
部屋中に強烈な甘い匂いが漂っている。ドーナツ、デニッシュ、パイ、マフィン。数種類のケーキ。トーストの類もあるが、用意されているのはピーナツバターやジャムなど、見事に甘いものばかりだ。さらにスナック菓子や炭酸飲料が並んでいる。
男は髭もじゃの顔で笑っている。
「おいしそうだろう。きみの好きそうなものばかり用意させたんだ」
「ヴィッキー?」と声をかけられて振り向くと、銃口が突きつけられた。だが怪しい風体の男からは、敵意も害意も感じられなかった。「頼むから一緒に来てくれ」と言う口調には、困惑した様子がうかがえた——
これが、この奇妙この上ない誘拐劇の発端である。(裏表紙より)

怪獣夫婦から離れて、天使組の話。「追憶のカレン」に関わったある少女との約束を果たすため、シェラとリィは、ルウを保護者にしてその場所を訪れていた。リィが離れたところで、声をかけられるも、銃口を突きつけた男からは敵意を感じない。興味を引かれてついていったリィ。この誘拐劇はいったいなんだ? という、今回は常識人がなかなか出て来ず、むしろリィとシェラが振り回されたりもするので、大変。しかも専門的な話は二人ともからきし、なせいで余計に話がこんがらがってくる。
しかし、登場するヴィッキー少年はなんだかいい感じに友達になれそうで、ちょっとほんわか。リィもシェラもこういう子には好感を持ってくれるので、ちょっとわくわくしました。普通の子がもっと二人に絡めばいいのになー。学校のみんなは、二人のことちょっと特別視してるから。
陰翳礼讃 (中公文庫)
人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。(本文より)
——西洋との本質的な総意に眼を配り、かげや隅の内に日本的な美の本質を見る。(裏表紙より)

日常にある、日本的な陰翳と明るさを西洋のものと比較した随筆。昭和初期から半ばくらいにかけてのものなので、西洋に傾きつつある日本、開発されていく日本の町の風景が覗く。
最初の「陰翳礼讃」の章がすごくて! そうそう、そうなんだよ! と頷くことしきり。読んでいて思い出したのは、自分の塗り物に関する記憶。私は、塗り物があんまり好きでなくて、どうしてこうぎらぎら光を跳ね返すものがもてはやされるんだろう? と思っていたのですが、多分蛍光灯の下で見ているせいでしょうね。元々、蝋燭や灯籠の側で見るものだから、もっとしっとりと影に触れるようなものであると思うのです。建物や内部の濡れたような黒さや、灯りに照らされる闇という言葉。そういうものを知っている人がいるんだ! と思いました。
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Author:月子
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