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森の中、壁に囲まれた封鎖された学校には、五つの寮に最年少は赤、最年長は紫のリボンをつけた少女たちが暮らしている。最年少として入ってきたイリス、校長に選ばれることを望むアリス、卒業を控えたビアンカ……彼女たちはどこへ行くのか。

少女、箱庭学園、というイメージに引かれて見始めましたが、冒頭から水のシーンが始まったのでそういう予感しかしませんでした。恐いんですよ! 水=女性=性のイメージが! そうして初っ端から棺に横たわっている裸体の少女が出てくるので、もう腹をくくりました。性的倒錯(少女趣味。ロリータ)が感じられる作品なので、最後まで見るとあてられました……若干酔った……。
最上級生に懐く最年少のイリスと、卒業していった生徒を失い反発する最年少から一つ上がったセルマ。選ばれたいこと、外に出ることを望むアリス。出て行きたくないと思いながら否応無しにその時を迎える最年長のビアンカと後を継ぐナディア。この揺れが、子どもらしさ少女らしさを段階で現しているようですごく示唆的。他にも違う年齢の少女がいるのですが、イリス、アリス、ビアンカが大きな段階を現しているのかな。ビアンカの後を継ぐナディアが「嫌だ」と言うのも、なんかこう、ああ分かる、恐いよね……ともぞもぞします。
とにかく少女ばかりの箱庭、薄暗い森の中で大人も全員女性だというのは恐いです。薄暗いし、みんな言葉少なだし、無知故のシーン(正直「これはあかん……」と思ったものがいくつもあった……)、意味深なシーンが続くので、とにかく「何かが起こっている」と感じるのが恐い。それは、多分彼女たちの変化だし、倒錯的な繋がり方だし、彼女たちの怯えだと思う。「外に出たい」という意志がすごくまっとうに感じられてくる世界観。彼女たちは売られる少女たちだったらどうしようとか、世界が滅んでて管理されてたらどうしようとか考えながら怖々見ましたが、何か変だと思ったのが若い先生二人の仕草でした。つまり健全と不健全、自然の摂理に逆らうかどうかの話だろうか……。
箱庭ものは、外の世界はとんでもなく恐ろしいというものか、外の世界は楽園だというもののどちらかなのですが……この結果は言わないでおきます。しかし、最後「ああああ」と内心で思わず突っ伏した、というか、考えていた部分も含め結末が腑に落ちたので、良い映画でした。
でも結局、彼女たちはどこから来たのかというのが気になる。大人が出て来ないので、個人的に管理社会になっている近未来世界なら面白いなーと思う。
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