読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

瀧晴己さんがインタビューし、上橋さんが語った本。語った本とは言っても、インタビューが挟まるわけではなく、エッセイのようなごく自然な文章になっていて、非常に読みやすくてよかった!
上橋さんがどのような家庭に育ち、本を読み、作家を志し、また研究者となったのかが分かる。物語を書ける人は、自分のこともきちんと観察してちゃんと生きているんだな……と我が身を振り返ってしまった。靴ふきマットの上に、私もいる……。そこから飛び出して、まったく違う文化や価値観のものを見つめるのは、体力も精神力も必要なんだろう。気持ちが強かったんだろうなあ。
ところでびっくりしたのが上橋さんと女優の片桐はいりさんが高校の同級生だったということでした……。すごい人はすごい人と出会っているものだな。
最後に上橋さんが読んだというブックリストもあり、すごく面白い一冊でした。
PR

「終点のあの子」作者の誰もが待ち焦がれた新作は、仲良し四人組の探偵小説。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子。恋愛の荒波も、仕事の浮き沈みも、四人の絆で乗り越えてみせる。(帯より)
食べ物をキーワードに、一人の問題を他の三人の親友たちが解決しようとする連作集。テンポがよくてくすっと笑えて、食べ物が美味しそうで、やっぱり柚木さん好きだわー。初っ端からお稲荷さんが食べたくなって困った。甘いお揚げが好きなのだ……。
四人組がどういう風に友達になったのかというのも見てみたいくらい、親友を大事にして面白がりながら助けてくれる彼女たちが楽しい。四人のピンチが交差する最後の話「おせちでカルテット」ははらはらもするし、美味しそうだし、最後に乾杯するところが「女子はこれが好きなんでしょ!」という感じですごく好き。やっぱり女性が集まると最後に明るく乾杯したいよね。面白かった。
![魔法少女まどか☆マギカ 1 【通常版】 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XnqiB%2Ba5L._SL160_.jpg)
普通の中学生だった鹿目まどか。ある日、謎の声に呼びかけられ、友人の美樹さやかとともに、不気味な迷路に迷い込んでしまう。そこへ上級生の巴マミが現れ、襲いかかるものたちを退治してくれた。彼女が語るに、この迷路は魔女のものであり、マミは白い不思議な獣・キュゥべえと契約した魔法少女なのだという。また、まどかは不思議な転校生・暁美ほむらに「魔法少女になってはならない」と警告されるが……。
大きな話題を呼んだ噂のまどマギ、五日間かけてDVD六巻全話視聴しました。
すごく面白かった! 恐い恐いと聞いてはいたのですが、恐怖が最終話に近くなるにつれて段々美しい物語になっていくのがすごかったです。12話でこれだけの物語が出来るってすごい。展開の早さも、登場人物の関係性も、すごく胸にくるいいものでした……。
映像がとにかく美しくて、ここぞ、という時に決めてくる画面がすごくかっこいい。カットで見ても美しい場面がいくつもあって、いいものを見ているという気持ちになりました。映るものが隠喩になっていたりして、そういうものを探すのがきっと視聴者は楽しかったんだろうなあ。私もリアルタイムで見たかった。未視聴の間は、あんまりネタバレになるような部分には触らないように自重していたんですが、漏れ聞こえてくる話に大体の流れを察してしまい、悲鳴する率が下がったのが残念すぎる。それだけすごく面白い話だったんですよ! ほむらの話とか! 知らない間に見たかった……!
面白かったので、次は映画もちゃんと見て、悲鳴したいと思います。まだ映画版のネタバレは踏んでいないので、早く!
![スライディング・ドア [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51xSMNUCOXL._SL160_.jpg)
広告代理店に務めるヘレンは、会社を首になったその日、地下鉄に乗り損ねる……が、もう一つの時間軸では乗車に間に合い、隣席に座った男性ジェームズと知り合い、帰宅すると彼氏ジェリーの浮気現場を目撃する。一方、地下鉄に乗れなかった方のヘレンは同棲しているジェリーの浮気に気付かないまま、彼のためにウェイトレスの仕事を始める。
運命の分岐点で一人の女性の人生が変わる。平行世界、バタフライ効果が作用した二つの人生を交互に追っていく物語。途中からどちらも不幸になるんじゃないかと思って頭を抱えて見ていました。同じような出来事、しかしそれが起こる人が微妙に違うところがもうはらはら。
ジェリーとジェームズ、不誠実と誠実さがラストではっきり描かれているのが面白い。本気で探してくれるかどうか、でジェームズがどんな人間なのかは分かったのですが真実を口にしてもらえるまでどきどきしました。そして、この真実がラストに大きな効果と予感をもたらす。ネタバレになるから言えないのだけれど、今度は不幸にはならないだろう。最初の台詞が最後にまで生きるというのが、本当にうまいなあ!
平行世界ものの「バタフライ・エフェクト」は痛いくらい必死に世界戦を越える物語でしたが、この「スライディング・ドア」は誰も分岐点の存在に気付いていないおかげで、はらはらするのはこちらだけでほっと見れました。誰かが痛い想いをしたり必死に足掻いたりするのもすごく、すごく面白いのですが胸がきりきりしてしんどいので……。こういう気楽な平行ものも面白いと思いました。
![奇跡のシンフォニー [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51SJwWkR6LL._SL160_.jpg)
生まれたときから孤児院に暮らすエヴァンは、常に世界に満ちる音楽の音色を聞いている。それは、きっと両親からもらったものだと信じて。ある日、その音楽に従って孤児院を抜け出し、ニューヨークを訪れたエヴァンは、偶然出会った浮浪児の少年アーサーと、彼ら子どもたちを束ねて音楽をやらせて稼いでいるウィザートという男に才能を見出され……。
耳を澄ませば音楽が聞こえる、両親からくれた音楽だ……というモノローグから泣かせにくるので涙腺を引き締めるのに苦労しました。最初に涙腺が決壊したのは、ジェフリーズがエヴァンと懇談している時、口笛を吹いて聞かせて、この子は何か違うなという表情をして自分の電話番号を渡すところ。ちゃんと気付いてくれる人がいるんだ、この子はきっと大変な思いをするけど大丈夫だ、という希望を感じて涙。早い。
このエヴァンの物語の間に、十一年前の彼の両親の出会いと現在の二人の物語が入ってくるのですが、音楽に導かれた二人がエヴァンのいるニューヨークにやってくるところから、いつ会えるのか、本当に会えるのかはらはらどきどきする。子どもが生きていることをようやく知らされたライラと、音楽を諦めライラを忘れようとしていたルイス、それぞれの気持ちも分かる気がして、こちらもどきどき。
エヴァンは音楽が父母からもたらされたものだと信じ届くように奏で、彼を拾ったウィザードは音楽の力を信じているようで金儲けの道具にしている。父ルイスにとっては苦い思い出と夢。音楽に見出すものは人それぞれ。家族三人がゆっくりと近付いてくるところもあって、音楽は神様のものだというのを強く感じました。
感動した。涙が出た。いい話だった。オススメ、ありがとうございました!
![銀河ヒッチハイク・ガイド [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61oZD5QcGWL._SL160_.jpg)
自宅が取り壊されることに抗議していたアーサーは、友人のフォードに「自分は宇宙人で、あと十分で地球が消滅する」と告げられる。自宅が破壊されている最中、ヴォゴン人の宇宙船が襲来、地球は消滅してしまう。何が起こっているかわからないアーサーに、フォードは宇宙で一番売れたという自著「銀河ヒッチハイク・ガイド」を読ませる。そうして、宇宙大統領ゼイフォード、トリリアン、ロボットのマーヴィンに出会ったアーサーは、とある星に行くべく旅を始める。
原作がスラップスティックSFシリーズで、イギリスでは大人気の作品だという前情報と、マーティン・フリーマンが主演だということで見ました。チープでバカなSF映画でした。冒頭の「魚をありがとう」で半笑いの顔を妹に向けたら爆笑された。
「魚をありがとう」とは、人類は自分たちを地球上で一番賢い存在だと思っていたが、実は三番目。二番目だったイルカは地球が滅びるという銀河の立ち退き警告を知っていたので、大抵が優しい人類にもそれを伝えようとしたが、輪くぐりしたりボールを突いて遊んでいるとしか思われなかったので仕方なく地球を後にする、その別れの歌、です。長い。
人類の驕りやイルカのくだりもそうですが、「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」についてスーパーコンピューターに尋ねた結果、「42」という意味不明な答えが算出され、その答えに該当する「究極の問い」の存在が不明というのも、かなり皮肉がきいています。全編ジョークがきつすぎてどこでどんな顔をしたらいいのか分からないの……。
銀河のおかしなところや発明品や、宇宙人の設定が楽しい。メインメンバーではゼイフォードが馬鹿で面白かったんですが、アーサーがもうちょっと振り回されてたらよかったのにと思います。舞台っぽいと感じたり小説らしい話運びで、出てきたものの意味が後から驚くようなものだったりするところがおおっと思いました。
出演者のビル・ナイさんが好きだ。特典映像の演技って、何かのパロディなのかな。しかしかっこいいよなあ……。

でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。
日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。(カバー折り返しより)
読んだのは単行本。最近よくタイトルを見かけるので読んでみようと。
若干事件性があったりもする謎を、美学・芸術学の天才教授通称「黒猫」と、その付き人を任された院生の「私」が解いていく、連作短編集。教授という設定を存分に生かした、ポオをはじめとする文学、建築学などの講義(うんちく)が挟まり、それが謎の答えに関わる、という流れ。文章はあんまりお上手ではないと感じたのですが、謎の提示、解決に至るまでに、黒猫と私さんのキャラクターが表れる部分が面白くて、すいすいと読めて楽しかったです。表紙も可愛い。
![エコール [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51WIe02K21L._SL160_.jpg)
森の中、壁に囲まれた封鎖された学校には、五つの寮に最年少は赤、最年長は紫のリボンをつけた少女たちが暮らしている。最年少として入ってきたイリス、校長に選ばれることを望むアリス、卒業を控えたビアンカ……彼女たちはどこへ行くのか。
少女、箱庭学園、というイメージに引かれて見始めましたが、冒頭から水のシーンが始まったのでそういう予感しかしませんでした。恐いんですよ! 水=女性=性のイメージが! そうして初っ端から棺に横たわっている裸体の少女が出てくるので、もう腹をくくりました。性的倒錯(少女趣味。ロリータ)が感じられる作品なので、最後まで見るとあてられました……若干酔った……。
最上級生に懐く最年少のイリスと、卒業していった生徒を失い反発する最年少から一つ上がったセルマ。選ばれたいこと、外に出ることを望むアリス。出て行きたくないと思いながら否応無しにその時を迎える最年長のビアンカと後を継ぐナディア。この揺れが、子どもらしさ少女らしさを段階で現しているようですごく示唆的。他にも違う年齢の少女がいるのですが、イリス、アリス、ビアンカが大きな段階を現しているのかな。ビアンカの後を継ぐナディアが「嫌だ」と言うのも、なんかこう、ああ分かる、恐いよね……ともぞもぞします。
とにかく少女ばかりの箱庭、薄暗い森の中で大人も全員女性だというのは恐いです。薄暗いし、みんな言葉少なだし、無知故のシーン(正直「これはあかん……」と思ったものがいくつもあった……)、意味深なシーンが続くので、とにかく「何かが起こっている」と感じるのが恐い。それは、多分彼女たちの変化だし、倒錯的な繋がり方だし、彼女たちの怯えだと思う。「外に出たい」という意志がすごくまっとうに感じられてくる世界観。彼女たちは売られる少女たちだったらどうしようとか、世界が滅んでて管理されてたらどうしようとか考えながら怖々見ましたが、何か変だと思ったのが若い先生二人の仕草でした。つまり健全と不健全、自然の摂理に逆らうかどうかの話だろうか……。
箱庭ものは、外の世界はとんでもなく恐ろしいというものか、外の世界は楽園だというもののどちらかなのですが……この結果は言わないでおきます。しかし、最後「ああああ」と内心で思わず突っ伏した、というか、考えていた部分も含め結末が腑に落ちたので、良い映画でした。
でも結局、彼女たちはどこから来たのかというのが気になる。大人が出て来ないので、個人的に管理社会になっている近未来世界なら面白いなーと思う。

大手出版社・千石社の週刊誌編集部に所属していた新見は、文芸誌に関わることを目指していたが、その春、下った辞令は、なんと少女雑誌編集部への異動。望まぬ部署、けばけばしいファッションや小物、ローティーンの少女たちに関わることになった新見は、やる気なくただ仕事をしていたが……。
編集者もの。もう冒頭から完全にやる気がない主人公、新見がひどい。細々した仕事はちゃんとしているんだろうけれど、常に不満を抱えているのはちょっと……。でも、二十六歳の男の人に、中学生女子が好きなものを詰め込んだ雑誌を作っていけと言われても無理か。
作っている人の苦悩、編集者の、というのが面白い。会社、事務所の思惑も絡んできて、大人の世界ってたいへん……と思うなどする。人との繋がりがすごい影響を及ぼす大人の世界こわい。大人の思惑で、中学生の女の子の明暗が分かれるというのが辛い。そう思って読んでいくと、どんな少女モデルも、雑誌を卒業した後はなにがしかの形で輝かしい場所を目指していこうとする、というのが、ぐっとくる。夢の輝きは痛くて苦しいけれど、憧れてしまう気持ち、分かるかもしれない。
