読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
幼い頃に出会った絵本の『花のプリンセス』に憧れて、プリンセスになるという夢を抱いた春野はるか。ある出会いを経て夢を抱いたまま中学一年生になったはるかは、夢を叶えるため私立ノーブル学園に入学する。誰もが夢を探し、あるいは抱いている生徒たちだが、夢を狙う敵対勢力ディスダークと遭遇したはるかはみんなの夢を守るため、プリキュアとして戦うことになる。
私の最高のプリキュアと思っている作品。放送予告の「お覚悟はよろしくて?」が最高にかっこよくて、終盤の大事なエピソードに涙して、自分を励ましたいときに繰り返し見てしまうくらい「夢」と「それを叶えようと努力すること」が描かれた作品だと思っています。
「プリンセスになりたい」という言葉は、作中にあるように確かに他の人が聞いたら笑われてしまうかもしれない。はるか本人も「プリンセスって何?」ということを学園で学び、たくさんの人と接するうちに理解していく。プリンセスとは「つよく、気やさしく、美しい」人間。王女様になるんじゃなく「プリンセス」という概念なんですよね。
最後まで諦めることなく夢を叶えようと努力し、友達や仲間の夢も守ろうと努力するプリキュアたちが本当に眩しくて。夢に向かって進むみんなは、大人になってもプリンセスであるというメッセージが嬉しかった。キュアフローラはいまでも私にとって最高のプリキュアです。
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母の看病のため、学生らしい時を過ごせてこなかった慶子さんは、高校三年生を目前とした春の朝、ケーキのような甘い匂いに誘われ和菓子屋「寿々喜」に辿り着く。店員の青年に招かれ店内に入ると、出されたのは小さな“どら焼き”。そう、あの香りの正体はケーキではなく“和菓子”だったのだ。
和菓子の魅力に惹かれ、お店に通い始める慶子さん。だが、進級後の新しいクラスで、慶子さんの隣の席になったのは、なんとあの和菓子屋の店員さんで……!?
四季折々の和菓子と、ほんのり甘くじんわり優しい恋物語をどうぞ。(裏表紙より)
いい子たちのいいお話すぎて泣いちゃった……。謙虚で優しく、人を思って行動できる慶子さんのことをみんな好きになっていくのが本当に嬉しくて。そんな慶子さんのことを好きになって大事にしてくれる人たちの存在が嬉しくて。
高校三年生、和菓子さまこと鈴木学くんとの出会いによって高校生活を謳歌する慶子さん。そこにはもちろん将来への悩みや恋のこと、家族の話もあり。いくつかの不穏がありつつも高校生らしいしなやかさ、悲しい出来事で成長した大人びた精神によってゆっくりしっかり乗り越えていく彼女たちが眩しい。
でもやっぱり泣いてしまったのは学くんが昔から慶子さんを見ていたこと。直接言葉を交わさなくても、何かしなくても、あなたのことを助けたい、幸せになってほしいと見守ってくれていた人がいたんだっていうのが、いまこの瞬間に繋がっていたんだって思うと泣けて泣けて仕方がなかった。この日までしっかり自分を見失わなかった慶子さんはえらいし、この年に行動した学くんもえらかった!
最後の幸せそうな二人のエピソードが嬉しくて、つい小説家になろうに掲載されているショートストーリーを読みに行ってしまった。
本当に素敵な物語でした。ありがとうございました。
王位継承権第二位を得た王女リザの婚約者選びが国内で始まった。アニアはリザに想いを寄せる従兄のティムを後押しする。王太子リシャールは彼女に協力してくれるものの、何やら思い悩んでいる模様。そんな時、祖父の記憶からアニアは二十年前の王位継承戦争の裏に隠された真実に気づく。そして隣国に亡命した今も王位に執着する王弟が密かに陰謀を企てるなか、作家令嬢と書庫の姫、それぞれが迎える恋の結末は……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー終幕!!(裏表紙より)
有能な祖父によく似ているために家族から疎まれ、しかし王女付きになったことで女伯爵となり、王家の人々と近しく言葉を交わす立場になったアニア。書庫の姫と呼ばれ、王女として政略結婚するその日を待っていたものの、自らの未来を手に入れることができたリザ。二人の少女の出会いが、長らくこじれていた王国や諸国の因縁を紐解く恋と友情のお話、完結。
最高に楽しくて、可愛らしくて、どきどきした作品でした。アニアが賢いという描写、ちゃんと説得力を持たせる言動やエピソードが散りばめられていてすごくよかった。困った家族に疎まれている不幸なご令嬢が、王女や王太子の後ろ盾を得るのではなく、自らの行動で女伯爵に、そして王太子妃になるって最高すぎる!
リザとティムも落ち着くところに落ち着き、最後の小さなお話ではジョルジュもちゃんと結婚相手を見つけていて嬉しかったなあ!
最後の一文、まさに作家令嬢と書庫の姫の物語にふさわしいもので、涙が出てしまった。
とても楽しかったです。ありがとうございました!
ネットにアップした奈緒の歌は、たちまちミリオン再生を記録した。敏腕マネージャー矢作女史の後押しもあり、有名ボカロPの仲間入りをした慶太郎。そして彼とリンクするように、電話の向こうの奈緒もメジャーデビューへと近づいていた。そんなある日、慶太郎は二万人が集まるボカロPの祭典に招待される。奈緒が夢にまでみた大舞台で、慶太郎は一世一代の賭けに出ることにするが――。ミライショウセツ大賞優秀賞。失われた恋と歌の奇跡の物語、完結!(Amazonより)
奈緒との不思議なつながりと秘密を抱いたまま、音楽活動を続ける慶太郎。いつか来る終わりのときに覚悟を決める前に、現実が次々に襲いかかってくる。
中心的な人物の死という大きな事件が、慶太郎を含む大勢に様々な影響を及ぼしていることが浮き彫りになった下巻だなあという印象でした。しかし北沢さんの病みっぷりと慶太郎の感情の薄さがどうにも消化不良で……。薬盛られるって性別関係なくめっちゃ怖いぞ。この二人の関係が綺麗に終われなかったのがかなりもやもやしました。
最後の最後に奈緒が出てきてくれるのは想像していたけれど、ちゃんとお別れが言えて、大事な言葉は言わなくても伝わっていることがわかってよかったな。慶太郎が器用だということはわかったけれど彼がどんな音楽をやりたいかはまだ未知数。でもやっとまっさらなスタートを切れるんだなあ。
幼馴染みでバンド仲間の橘奈緒が死んだ。ミュージシャンになるため東京に上京しようとした日だった。失意の日々を過ごす大槻慶太郎だったが、形見として譲りうけた奈緒の携帯に電話がかかってきて……相手は死んだはずの奈緒!? しかも電話の向こうの彼女は東京で音楽活動をしていると思い込んでいた! 思わぬ再会に慶太郎は決意する。「奈緒の歌を皆に聴いて貰いたい」と――。ミライショウセツ大賞優秀賞。失われた恋と歌の奇跡の物語、ついに書籍化!(Amazonより)
自由で明るくてたくさんの友人知人がいる幼馴染みの奈緒に振り回される形で、慶太郎は当たり前の毎日を謳歌していた。そんな大切な人の喪失と、彼女が追いかけていた夢を引き継ぐ形で動き出した少年のお話。
一人称で、(笑)などが文中に登場する、若い表現がどうにもむずむずする。活字を読み慣れていない人はするする読めていいんだろうけれど。
奈緒がいなくなって、空白を抱えたまま過ごしていた慶太郎は、ニコニコ動画やVOCALOIDが席巻する世の中で奈緒の歌を残そうとし始める、というところまでが上巻。彼女との二度目の、本当に別れを迎えるときが来るのだろうと思うとどきどきするのですが、みんなが笑顔になれる結末であるといいな。
山間に暮らす羊飼いのイングヴァルとマリアは、ある日羊が出産した「羊ではない何か」をアダと名付け、家族として暮らし始める。奇妙なものとの不思議で穏やかな生活は、イングヴァルの弟ペートゥルが転がり込んできたことでゆっくり崩れ始める。
羊から生まれた「何か」と共同生活を送る夫婦。アダと名付けられたそれは幼い子どもと変わらず、とても可愛らしくて愛おしい。殺すべきだと言っていた義弟も彼女の存在を受け入れた……それだけで終わったらいい話なんですけれど、イングヴァルとマリアの精神状態がおかしいのは冒頭から明らかで、陰鬱な風景とともにひたひたと嫌な予感が満ちていく。
出産した我が子を求める母羊に対する仕打ち、ペートゥルの性的な執着、ここが隔絶された場所だから起こるんだろうという秘密の空気が、多分「ソレ」を呼び寄せたんだろうというラスト。なるべくしてなったんだろうという結末で、なんとも言えない……。でもいまもこの世界のどこかでこういうことが起こっているのかもしれないなあ、なんて思ったのでした。
王女リザは女官長の不在をいいことに、読書三昧の生活を楽しんでいた。だが、クシー領視察中のアニアからもたらされた“グリアン国王がリザとの縁談を望んでいる”との一報により身辺は一変。王太子付き武官のティムを護衛に回され、いきなり警護を厳しくされてしまう。アニアがグリアンからの特使を案内する一方で、厳重な警護を受けながらも見えない敵に命を狙われるリザ。何も知らされずに守られる立場に不満を抱いた彼女は、攻勢に出るためのある提案をティムに持ちかけるが……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー第三幕!!(裏表紙より)
リザが己の立場を省みる第3巻。今度の敵は教会と信仰。勢いのある国っていろいろ狙われるよねえ……。
リザとアニアは結構離れ離れでしたが、相手の考えを読んで迎えにいくところはわかりあっている親友感があって最高でした。たとえ本当に遠く離れてもお互いを思っていることがこれで確信できたようにも思います。できればずっと二人で、国を支えていってほしいけれど、どうなるかなあ!
ティムが昔からティムで、密かに恋心を抱いたままだということもここまで隠し通していたのがうわああああと。駆け落ちって言われたときに思い切って迫ってもよかった気がするよ! でもリザがわかっていないから上手くいかないか……。この二人も上手くいってほしい!
国内初の女伯爵となったアニアは、領主兼王女リザ付きの女官として多忙な日を送っていた。その上、王太子リシャールのお気に入りという噂から、令嬢たちに嫌がらせをされたり殿方たちが取り入ってきたり、と騒動続き。小説を書く趣味だけが息抜きだ。そんななか、留学中だった王太子の弟メルキュール公爵が帰国した。王太子もリザも警戒するほどの問題人物だという彼は初対面のアニアにいきなり求婚してきて……? 冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー、第二幕!!(裏表紙より)
女伯爵に叙せられたアニア。家族や黒幕も相応の処分が下されるが、それはそれで新しい問題が浮上して。結婚の条件に自領との距離とか仕事のしやすさを考えるアニアがすごくいいなあと思った巻でした。自分の義務を当たり前のものとして考えて動いているところ、ものすごくよくできた女性だと思います。
だから「女性だから」「身分が」なんて考えや、権力、保身といった欲望で義務を疎かにしたり誰かを蔑ろにする人間が許せない、と読んでいるこちらもすごく思う。政をする人はこうであってほしいというのが、アニアや周りの人たちなんですよね。
今回初登場の重要人物のジョルジュは、なんというか……それと気取らせないけれどめちゃくちゃ家族が好きですね?笑 いろいろやりすぎちゃうくらい大好きだよね? 今後もやらかしてくれそう。
2巻目にして実感したんですが、素行がちょっと悪そうな国王陛下、実はめちゃくちゃ有能じゃない? リシャールを含めた補佐も優秀だけれど、ものすごい改革をばすばすやっていくなあ。次はどうなるんだろう?
物語を書くのが趣味の貧乏貴族の娘アニアは、従兄のティムの紹介で王宮仕えをすることになった。王太子リシャールの無愛想(?)な態度に戸惑いつつも、書庫に籠もるほどの本好きの王女リザとは意気投合する。リザの婚約者との初顔合わせの舞踏会を目前にしたある日、婚約者の愚かな振る舞いに、リザが激怒する。アニアとリザは舞踏会で彼を懲らしめようと企むが、その裏では別の陰謀が蠢いていて……? 冒険活劇あり、殿方とのロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー開幕!!(裏表紙より)
元宰相だったが王宮を追われた祖父を持つアニアは、放蕩を繰り返す家族に疎まれ、玉の輿に乗るよう期待されている。唯一の味方だった従兄のティムの紹介で王女が結婚するまでの女官として採用されたことで、それぞれの運命が回り始める……という王宮ロマンス。最高! 最高でしかない!
賢く優秀だったために家族に疎まれ、見限ることもできずにいるアニアが、王宮で味方を得ながら、ある不思議な助力もあってめきめきと頭角を現す展開や、王女との友情、淡いロマンスの気配と、本当によかった。膂力がなければ知恵を使って反撃、それこそよ!!
しかしアニアに宿っている記憶、これは後々種明かしがあるのかなあ。理由がすごく気になる。
殺し屋組織のボスが急逝し、遺された顧客名簿「死者のリスト」争奪戦が勃発した。ありかを知るのはボスの息子・三也(4歳)だけ。朝比と哮は三也を懐柔するため、疑似家族として暮らすことに。しかし、若くして殺し屋業界に身を置いた彼らに「普通の生活」などわかるはずもなく…。子育てあるある&ご近所トラブルなど、殺し屋二人組はこのミッションをこなせるか!?
普通の生活は暗殺よりも難しい。(裏表紙より)
色々なものが欠けてしまった暗殺者、柳生と、豪快ながらどこか影のある我藤、天涯孤独の身となって方々から狙われる四歳の三也の、擬似家族もの。いやあ可愛い! すごくほっこり。子育てとご近所問題とに振り回される暗殺者たちに笑ったししんみりしたり、三人まとめて幸せになれ! と思ったり。
そつがないけれど埋められない空白を抱えてひねくれた美形暗殺者、柳生の内心が切なくて。命の塊みたいな幼児を抱いて、手に入れられなかったものを思ったものとは少し違う形で手に入れられたんじゃないかな、なんて。
くまさんねっとわーくには笑ってしまったけれど、きっとみんな最高の未来を手に入れられたんじゃないかな!
とても楽しかったです!