読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
——弱きもの。汝の名は女——
わたしの目の前で、夫となるはずだった人が消えた。しかも、結婚式の最中に。「死んだと思え」と言われても、納得などできない。
彼を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い坊主を連れて城を飛び出した——
封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚! 第一回C・NOVELS大賞特別賞受賞作。(裏表紙より)
面白かった! 淡々とした名もなき女性の語りで、この世の秘密が語られているのが、とても暗示的だなあ。
主人公というか語り手が「わたし」で、「◯◯の娘・◯◯の女」でしか呼ばれない世界で、彼女は狭い世界を飛び出して無知と無垢と生来の賢さで世界の秘密に触れる。すべての登場人物の配置がファンタジーとして美しくて、読みながらぶるぶる震えてしまった。すべてのものが予定調和的に配置されていて、「わたし」は役割を逸脱しない、けれど大それたことをやり遂げてしまったという結末もすごく好み。
「わたし」の手稿が、旅の同行人であったイーサンの手にあるっていうのが、救いでもありおかしみでもあって、最後までめちゃくちゃ面白かった。こういう淡々としたファンタジー大好きです。
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