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マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
なぜ、私なの?——賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。高度な電子干渉能力得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった……弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻発動!(裏表紙より)

ヴェロシティのエピローグ直前。主人公はルーン・バロットという少女娼婦。なぜ自分なのかと問う事を許されていくまでの物語、と思った。ヴェロシティは虚無、スクランブルは魂の再生というのはヴェロシティ三巻の帯の文句。
相棒となっていくバロットとウフコックの過程が上手く描かれていると思う。バロットが超人的な力を手に入れる所も気持ちいいが、諫めてくれるウフコックの存在がきいていて良い感じ。畜産業者との戦闘はやはり手に汗握るが、ヴェロシティのように研ぎ澄まされた感覚がないように思う。冲方丁は進化しているんだなと思う。
オクトーバー社の作った人物、が仲間にいる事が書かれているが誰? と思った。ここでは創設者というわけではなくて、現在の腐敗に至らせた人物と見るのが、ヴェロシティを読んだ人間としての正しい認識の仕方だろうか。
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