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マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)
科学技術発祥の地”楽園”を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に存在するという事実だった。チップを合法的に入手すべくポーカー、ルーレットを制していくバロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャックに臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙する——喪失と安息、そして超克の完結篇(裏表紙より)

アシュレイとのブラックジャックは多分現実的には有り得ないんだろうが、もし本物の戦闘として引き分けになり続け、傷を負いながら勝利を目指していると考えると面白いかもしれない。
シェルが来て、バロットがチップをわざと返していくのは、ダークヒーロー的。こんないやらしく返す主人公なんて滅多にいないだろうなと思う。
初読時は、ラストにウフコックが死んでしまったんだと思っていた。だが、今よく読んでみると、ボイルドに奪われた銃にはウフコックはいなくて、バロットの突き出した右手にウフコックがいた。そして最後に引き金のない銃になっている。スーツに干渉して「今度こそ本当に、もぬけの殻だった」とあるように、ボイルドには奪われてなかったのかと。本当私は濫用されかけて死んだのだと思っていた。
バロットとボイルドの差は、自らを委ねる事が出来たかどうかにあるのではないかと思う。ヴェロシティを読んでしまったら、ボイルドがただウフコックを使いたかっただけという理由が薄く感じられるけれど、ボイルドはウフコックの感情を読みとる能力を恐れてもいた。でもバロットは恐れなかった。ふと思った。一度死んだ者と生き続ける者の差というもの。
ボイルドはこの戦いの後、本懐を遂げる。それが本当のこの物語の終わり。
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