読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
学園バトルが日本の未来を左右する!?
私は高校生の蘇芳。いとこの紫風(美形なうえに天才剣士!)が当選確実の生徒会長選挙を控えたある日、選挙への妨害行為が相次いだ。また派手好きで金持ちの道博の仕業かと思ったら、「伝道者」を名乗る者が出現。私たちの住む悠久のミヤコを何者かが狙っている!(帯より)
謎×学園×ハイパーアクション、という謳い文句な恩田陸作品……なんですが、あらすじからぶっ飛んでてこれはいったいどういう話なの!? と思ったら、やっぱりすっごく変で、変なんだけとお約束事がばっちりで面白かったです。ノスタルジーも方向性を変えるとこういう派手な「ジャポン」なものになるのかあ。
まず、主人公蘇芳はおかっぱセーラー服の美少女。自分の刀を貰い受けるには腕が足りないといわれ、歯がゆく思っている少女剣士。その同じ一族の少女・萌黄は、リボンで髪をまとめた袴姿。頭もよく、腕も立つ少女。そして一族の御曹司・紫風もまた、強く賢く、リーダーシップのとれる生徒会長候補。その三人とミヤコという場所を巡る物語です。どう考えてもミステリじゃないし、ファンタジーでもラノベな上、読み進めていくとお約束を踏んでいくハリウッド映画みたいな活劇になっていて、恩田さんはこういうものも書けるのかとびっくりしました。もっと暗くてじわっと怖いものの方が好きなのだと思っていた(そういうシーンもあるんですが)
恩田さんらしさだと思えていた、そういったじわっとした怖さ、少女たちの活発な明るさと強さ、日本という場所のノスタルジーを全部ひっくるめてしまってエンターテイメントにしてしまうと、こういう話になるのかもしれない。すごく映像的に書かれているので、文章も簡略だし、狙っているシーンもたくさんあって、頭の中で映像にするとすごく生き生きとしてくる物語だと思いました。
面白かったです。私はこれ好きです。
PR
この記事にコメントする