読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
気がつくと白い部屋にいた。白い部屋——病院。何であたし、こんな所にいるんだろう。何であたし……え? あたし、自分が誰だか判んない。記憶喪失? そんな……。おまけに、病院に来た刑事は、さらに凄いことを言うのよ。あたしのこと、殺人犯だって! 殺人の疑いをはらすべく過去を探しに出たあたし、誰かにおそわれる。何で? あたしが何したっていうの。それにあたし、誰なのよ!(カバー折り返しより)
「あたしの中の……」「ずれ」「大きな壁の中と外」「チューリップさん物語」の四作品が収録。一人称の話って得意でなかったはずなんですが、新井素子作品ならするすると読めるし楽しい。
どの話も、短いのに起伏があって、オチがあって、すごくいい。好きなのは「大きな壁の中と外」です。これ、閉鎖学園みたいな感じでもっと読みたいなあ(というか書いてみたい……)遠い過去の人々の思惑で、未来の青少年たちが戦う話って本当に好きで、新井素子はそれほど読んでいないのに、ここに自分の好きなもののルーツがある。不思議だなあ。
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