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銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)
 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった……。
 だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない”黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその”黄昏の子供たち”の一人だった。
 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。(カバーより)

切ない、と言うより、ラストの力強さが印象に残った物語だった。
文章はライトノベルというよりケータイ小説的かなと思う一文の短さで、さくさく読めるけれど、想像力を駆使しないとしんどいかも。最初のクラスメート女子の「あろはおえ〜」とか「なにを黄昏れちゃってるのかな?」など最初の、普通の生活、がどうも違和感でした。それくらい、そういう雰囲気がまったくない話だとあらすじでプロローグで思っていたので。
あらすじを読んだら人類の進化のカギというワードから陰謀ものかなと思うけれど全然そんなことはなくて、少年少女の出会いと一緒にいると決めることが書かれていたと思う。惜しいなーと思うのは、もうちょっと書き込みがほしかったからかも。ひとつひとつのエピソードはもっと膨らませがいがあると思うのになあと思ったり。

 これは僕の宣戦布告だった。この救いの無い理不尽な世界への。
「ここに」
 銀花がいる方角を指さし、微笑む。
「ここに女の子がいるんですよ、一人」


最初に書いた通り、終始漂う緊迫した危うさ、切なさと、ラストの力強さがとてもいいなと思いました。きゅん、というより、ふう……、だったと思います! オススメありがとうございました!
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