読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
保健室登校をしているナツとサエ。二人の平和な楽園は、サエが“自分のクラスに戻る”と言い出したことで、不意に終焉を迎える——(「ねぇ、卵の殻が付いている」)。学校生活に息苦しさを感じている女子中学生の憂鬱と、かすかな希望を描き出す6つの物語。現役の中高生たちへ、必ずしも輝かしい青春を送って来なかった大人たちへ。あなたは一人きりじゃない、そう心に寄り添う連作短編集。(裏表紙より)
保健室登校をする女子中学生二人の「ねぇ、卵の殻が付いている」。
地味で真面目な女子生徒が、根暗でイラストばかりする男子生徒との関係を無理やりこじつけられる「好きな人のいない教室」。
漠然と死にたいという思いを綴っていたノートを落としたことで、その持ち主を探すことになってしまった「死にたいノート」。
同種の人間と群れる、そしてスカートの丈はカーストを表していると考える女子生徒がかつての同級生を思う「プリーツ・カースト」。
自らの身体、それも性的な要素がある写真をネットにアップし、コメントがつくことで自己承認欲求を満たしている女子生徒が、自分を発見する「放課後のピント合わせ」。
たった一つの行動でクラス中からいじめられるようになった女子生徒が、保健室に至るまでの「雨の降る日は学校に行かない」。
おおよその作品で、カースト順位が低い生徒のことや、何気ないながらも深く傷ついた行動や言葉、きついいじめなどに遭遇していて、読んでいて辛かったけれど、よかった。女子中学生たちのひりついた感じがとてもいい。
その中でもちょっと救いが見えた「放課後のピント合わせ」が一番好きです。表現という手段にたどり着いたしおりには、これからその道を進んでほしいな。
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