読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
年子でよく似ている「真面目な子」の姉に複雑な感情を抱く妹。弟のアイドルオタクを馬鹿にするバンギャの姉。賢い優等生な娘とそりが合わないでいる母親。教師になるという息子の夢を守ろうとする父親。周囲から浮いている妹に苛立つ姉。帰国子女の孫の学校生活を見守る祖父。赤ん坊という命を中心にした風景。家族の物語を綴る短編集。
「「妹」という祝福」「サイリウム」「私のディアマンテ」「タイムカプセルの八年」「1992年の秋空」「孫と誕生会」「タマシイム・マシンの永遠」を収録。
語り手みんなの感情に共感してしまって、まるで自分に起こった出来事のようだった。そして多分この世界のどこかで同じようなことをしている家族がいるんだろうなと思わせる、リアリティがある短編の数々。とても面白かった。
ぐっときたのが「私のディアマンテ」。娘に馬鹿にされる学のない母親だけれど、大事なことは絶対に間違わなかった、その展開にすごく救われました。それから「孫と誕生会」。こちらも現代の価値観とは違うかもしれないけれど、大事なものの根っこは変わらないというのを教えてくれるもので、とてもよかった。
「タマシイム・マシンの永遠」はすごくタイムリーだったかも。タマシイム・マシンはどうやら『ドラえもん』のひみつ道具のようなのですが、話している内容に、2020年11月時点で上映中の「STAND BY ME ドラえもん 2」の下敷きになった話、のび太とおばあちゃんのエピソードのことが出るんですよね。それだけでなんだかちょっと、読みどきだったのかなと嬉しくなったのでした。
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