読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私立図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界——“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?
美しい自然に囲まれた古屋敷で、自信のない少女の“物語”が色づき始める。(裏表紙より)
すごくジブリみたいな作品だった。
ほわわんと頼りない父親によって北海道に送り出されたアン。滞在することになったその家は図書屋敷と呼ばれる、和洋折衷の古い館。けれどそこで眠るともう一つの場所、図書迷宮に迷い込む。口の悪い猫を案内人に、不思議な住人?との交流もありつつ、司書見習いとなったアンだけれど、その心には深い傷があって……という。
主人公の心の傷がちょっと捻ってあってほほうと唸りましたし、それが最終的に大きな障害になって、その真っ黒い海とラベル(レッテルともいうか)と戦う、という。アン自身はごくごく普通の読者であり、キーパーソンである伊勢もみじは作家なんですが、二人ともその暗黒や痛みに深く傷付けられて乗り越えようとするのが象徴的で、とてもファンタジックで、残酷な現実をすぐ側に置いた話だった。
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