読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
修験道の里、葛城山に暮らす役の一族の長・大角を陰陽寮当主・賀茂忠行が訪れた。十五年前から恐れていたあの者が都に現れたため、力を借りに来たのだ。長は忠行に息子の志狼を都に連れていくことを勧める。しかし、志狼は怨霊となった母・黒御前の呪縛に苦しんでいた。忠行は、その怨霊の背後にあの者の影があることを感じる……。
人心が荒み、闇に魑魅魍魎が跋扈した時代——闇に抗った者たちの姿を描いた長編伝奇絵巻!!(裏表紙より)
面白かった! 読み応えがありました。文庫で565ページですよ。大作でした。
この本を読みながら、ちらちらと『〈骨牌使い〉の鏡』が頭をよぎりました。異形のものと、人知を超えたはるかなものと、この世の理みたいなものが感じられたからかなあ。
修験道の長の息子、志狼が、賀茂忠行に連れられ都に行ったことから、運命は大きく回り始める。鍵となるのは一人の少女。妖女・鳴滝ら妖しのものに連れられ、道具として使われている葛葉は、白い髪と金の目を持つ童子を弟と呼んで世話をしている。この、志狼と葛葉が出会うことで、また大きく物語が動く。
タイトルにあるように、晴明と鬼にまつわる物語なので、陰陽(本当の意味での)だったり、鬼と人だったりと、対比がすごく効いた話でした。
文調が美しくて、魑魅魍魎が跋扈する平安という時代設定や、志狼、葛葉以外の登場人物たちもすごく魅力的で、面白く読みました。これ、ぜったい好きな人がいると思うなー!
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