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春狂い (幻冬舎文庫)
人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され――。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。(裏表紙より)

苦しくてえぐくて、救いなんてないんだけれど、ページをめくる手が止まらなかった。食い物にされるのか、食い物にするのか。そのどちらかしかない。普通の幸せってなんなんだろう、と思う。
一人の少女を中心に、本人と彼女に関わった人物の視点で短い話が連なっています。別の視点から見るとそうなるか、というところもあったり、やるせない気持ちになったり。「そんな三文小説みたいな女が実際にいる?」という台詞にぎくっとしました。これ、フィクションとして存在しているけれど、そうやって蹂躙される子どもは本当にいるんだよなと思ったから。
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