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おちくぼ姫 (角川文庫)
高貴な生まれにもかかわらず、意地わるな継母に縫い物ばかりさせられている貴族の姫君。落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らす彼女は、邸の者からも「おちくぼ」と呼ばれていた……。そんなある日、都でも評判の貴公子が姫君の噂を聞きつけて求婚を! 熱心な貴公子に姫君の心も動かされるものの、さまざまな問題が立ちはだかる。はたして二人の恋の行方は……? 若い読者のために現代訳された、田辺流「王朝版シンデレラ」!(裏表紙より)

何か古典にまつわるものを読んでみようと思って。あとカバーが可愛らしかったのもあって。
宮様の血筋だけれどその実母が亡くなり、継母からいじめられて、邸の落ちくぼんだ部屋にひっそりと住まう姫君。縫い物が巧みなので、針仕事を押し付けられている。乳兄弟として彼女にお使えする女房・阿漕は、それが悔しくてならない。夫を持ったものの、姫様の幸せを見届けるまでは、と思っていたところ、夫である帯刀の乳兄弟、いまをときめく右近の少将が姫君に興味を抱いたらしく……。
という状況で、阿漕や姫は、相手に、一生私ひとりと添い遂げてほしい、という。いじらしくって純粋で、でも多分この時代では難しかったのだろうなあ、というところを、帯刀や少将は叶えてくれるんですが、いやーとってもロマンチック! 部屋に忍んでいるところを見つかるか否かはどきどきしました。
最後に復讐するところも面白かった……。姫の心優しさがちょっといい子すぎるとも思ったのですが、まさに「ざまあ」でした。
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