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式神仙狐の思い出帖 (富士見L文庫)
 虚弱体質の療養のため、小学校卒業までを過ごした亡き祖母宅を訪れた嘉月は『思い出帖』という不思議な帖面を持つ三尾の狐のあやかし・仙狐と出会った。
 仙狐は記憶を喰うあやかしで、喰われた記憶は忘れられ『思い出帖』に描かれるという。親友を思い出せないことに気づいた嘉月は記憶を取り返そうとするが、仙狐が喰うのは「どうしても忘れたい」と願われた“辛い記憶”だけ。嘉月が失った記憶には親友の秘密と仙狐の犠牲が隠されていて……。
 懐かしさと切なさが胸を締め付ける、あやかし郷愁譚。(裏表紙より)

病弱な体質で療養のために亡くなった祖母の家に住むことにした嘉月。祖母は生前絵を描いていたといい、その腕前は現在イラストレーターとして仕事をしている嘉月が目を見張るほど。しかしその上この世ならざるものと関わりを持ち、力を持っていた人物らしい。
そんな祖母と関わりがあったという三尾の狐・冬青と同居しながら、街を覆う「記憶をなくす」怪異に向き合うお話。
可愛らしい表紙に反してなかなかホラーなシーンが多く、古い家の持つ独特の雰囲気やそこに現れる妖しのものの描写がリアリティありすぎて、何度か背筋がぞっとしました。
一方で、大きいもふもふと青年の心の交流は種明かしを踏まえると実に微笑ましいです。なんだよーお互いに好き同士なんじゃんかよー笑
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Author:月子
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