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影の姉妹
 親方さまと邇々玉さまが奉公人とひっそりと住む山峡の隠れ里。皆んなが命を賭しても守りぬかねばならない重大な秘密——それは邇々玉さまの血脈を流れる不思議な遺伝子にあった。宿命の子、邇々玉、またその血を受け継ぐ子……。転生の命に繰り返しあらわれる悲劇の因子の消えるときはない。数奇な生涯を運命づけられた女たちの足跡を幻想の翼を伸ばして描く感動のSFロマン(カバー折り返しより)

隠れ里に住まう邇々玉(ににぎ)は、双子。だが、様子がおかしい。あちらの彼女が傷つくと、こちらの彼女が傷つく。まるで残像のように分かれる二人。
この不思議な少女が、庇護者である親方さまの子どもを身ごもる。生まれたその子を守ろうとする館の人々。だが、秘密を知られる危機のたびに、一人、二人と減っていく。ねえやの多瑞は、残された子を守るため、一生を捧げる。
秘められた娘と、彼女を理解し愛する男と、娘を託す庇護者と。三者の輪がくるくる回る、はっきりとは書かれてはいないけれど転生の物語。過去の人々が、亡霊のようにして子孫を守るために立ち現れるところは、因果というかすでに呪いに近いかもなあ、と思ったり。
佐々木丸美作品でも、だいぶと文章に癖があるんですが、単語の選び方やリズムがよくて、なんだか浸ってしまった。
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