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王女ベリータ~カスティーリアの薔薇~(上) (講談社X文庫ホワイトハート)
 カスティーリア王だった父の死後、幼い弟と別れ、母と二人、修道院に幽閉された王女ベリータ。その後、母とも引き裂かれ、孤独のなか誰も信じられずにいた。
 16歳になったある日、ベリータは王宮からの使いだという男たちに外の世界へ連れ出される。訪れた館で彼女が再会したのは、死の床にある弟だった。
 その日からベリータの運命は一変する……。王位継承を巡る策謀。そしてアロンソへの恋心の行方は?(裏表紙より)

カスティーリア女王イサベル1世をもとにした歴史物語。のちのスペイン王国の礎を築く人たちの、若き日々のお話。
修道院に幽閉され、ただ一人、孤独に、誰も信じずに心のなかの母の声に従ってきたベリータ。神がかりともいうような驚くべき直感力で、事態を切り抜けていく。でも、エンリケス家のアロンソを気にしたり、というところは本当に普通の女の子で、後々出てくる「ばかじゃない方のベリータ」と「ばかの方のベリータ」という表現はとてもいいと思いました。女の子のなかに、王族としての顔と、ただの女の子という二面性はよいねよいね!
上巻は、ベリータの結婚問題において、ベリータ側がポルトガルではなくアラゴンにつく方がいいと決めて、アラゴン王国のフェルナンド王子との結婚を取り付けられるよう、トレド大司教に助力を嘆願しようと決めるところまで。
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