読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
1940年代、次第に狂気を暴走させるナチスドイツ。SS将校アルベルトはユダヤ人虐殺部隊と怖れられた特別行動隊の任務に赴き、この世の地獄を見る。一方、司祭を志していたマティアスも衛生兵として召集された前線で、自らの無力を噛みしめていた。地獄の底で再会した二人は、思わぬ共通の目的の下、ローマを目指す。その先に待つのは、絶望か、希望か。心を揺さぶる衝撃の結末が待つ歴史ロマン巨篇完結(裏表紙より)
棘はとげでも、いばらの方だったか……。最後の最後にタイトル回収していくの、憎いなあ……。
マティアスはひたすらに神への道を歩みながら自分にできることをやり通した、と思ったところで、アルベルトの行動の真の意味が明らかになって。彼もまた自らにいばらを課して、自分自身を貫き通したのだということがわかって、胸が苦しくて仕方がなかった。お前、お前な……! と言ってがくがく揺さぶってやりたい。
どれだけ苦しかっただろう。孤独だっただろう。その氷みたいな心でどうしてそこまで進めたんだろう。最後にマティアスと会ったとき、どんな思いでその笑顔を見せたのかと思うと、涙が溢れてきてしまう。
凄まじい作品でした。
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