読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
覆面小説家のセシリアは、没落貴族の両親から逃れるために後見人の騎士ヒースと名目上の結婚をしていた。だがヒースが亡くなり、遺言でヒースの部下クラウスと再婚させられる羽目に。その上次の小説大賞を獲らなければ契約を切られる危機に陥る。が、最初は喧嘩腰だったクラウスがセシリアの小説のファンだとわかり、ふたりの気持ちは次第に近づいて…。にせもの夫婦の間に芽生えた、本物の恋。文学少女と堅物騎士のラブロマンス!
にせもの夫婦の間に芽生えた、本物の恋。(裏表紙より)
柔らかくて優しい素敵なロマンスだった! こういうのが出るからコバルト文庫が好きです。
女流作家が一段下に見られ、女の書くものは売れないとされるバルデア国。女性名で発表した作品が売れず、男性名で再デビューを果たしたものの、小説大賞を目前に売り上げは芳しくない。果たしてセシリアは新しい作品を生み出すことができるのか。そして偽装結婚と仮面夫婦生活の行方は?
作品を作ること。作品に対する思い。読書にかけるそれぞれの思い。小説家がメインで登場する作品って、作者の方が「創作」の力を信じているものが多くて、やっぱりぐっとくるなあ。ここではセシリアとクラウス、それぞれの読書の考え方が違って書かれていて、それでいいんだよと教えてくれるようでもあって、とても優しい。
またヒースの遺言状がよくて。まるで天使からのアドバイスですね。ここぞというときに囁いてきて、考えなければならないときには黙っていて。見守るようなヒースの遺言状の数々、とてもよかったです。
素敵な作品でした。
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