読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
『ポーの一族』の謎を解明する一冊。新書サイズで普通くらいの厚みがあるのに、筆者がいないというのは変な感じだ。
キャラクターの性格分析があったのが面白いなあ。なかなか女性キャラクターに対する目がシビアじゃないか、と思う。
作品について、一見矛盾がなさそうで結構ある、というようなことを指摘しまくっていたので、この名前のない書き手さんは本当は『ポーの一族』が嫌いなんじゃないのか、と疑っています……。
ちょっと首を傾げてしまったのは、バンパネラって霧に変じられるんだっけ、ということだ。『ふしぎの国の『ポーの一族』』でも書いてあったような気がするところで、そうだっけと首をひねったのです。本物のヴァンパイアはそうでも、彼らが霧に変じたシーンなんてなかったと思うんですが……後で確認しておこう。
しかし書いてあることは自分の中の疑問点を明らかにして払拭してくれる感じだったり、もう一度考えさせてくれたりする内容で、面白い読み物でした。
朝日新聞1996年4月6日〜1997年3月29日付「マンガ名作講義」を中心に構成した、名作マンガの作品紹介集。名作をリンクさせた相関図、巻末に2000作の名作索引を収録。
萩尾望都について調べなくてはならなかったので読む。萩尾望都作品は、『ポーの一族』『半神』『トーマの心臓』が紹介されています。
知っているものは少なかったですが、たくさん読んでみたいと思うものがありました。
面白かったのは名作を繋げていくリンク集で、これは2005年当時連載中の作品まで掲載されていて興味深いです。特に『ハチミツとクローバー』のその紹介には「まだタイトルの謎は明らかにされていない」とあって、今読むとなんだかとても感慨深くなりました。
「赤い鳥」により芸術性を獲得した童話は、昭和に入ると、「少年倶楽部」に代表される大衆化の道を辿った。一方、子どものリアルな現実をとらえる生活童話が書かれ、宮沢賢治、新美南吉など童話作家も登場、独創的な日本のファンタジーが誕生した。お伽噺から文芸の豊かな一ジャンルに変貌をとげる時代の、川端康成、林芙美子、太宰治、坪田譲治、室生犀星、壺井栄など十九作家の名品を収録する。(裏表紙より)
必要にかられて読んだ。時代と照らし合わせつつ読むと、理解が深まる。
個人的に好きなのは、やっぱりファンタジーのジャンルなんだなあと実感しました。宮沢賢治、坪田譲治の「サバクの虹」、すごく好き。「スイッチョねこ」もかわいい。うまいなあ! と思ったのは新美南吉。
子どもの頃、読んでいた童話をもう一度読めるのは面白かったです。
エディトリアルデザイナーのインタビュー、およびそのデザイン作品を収録した一冊。
インタビューには、岡本一宣、久住欣也、尾原史和、木継則幸、荒金大典、宇田俊彦、福田正典、寄藤文平、高橋千裕。
雑誌、書籍などのデザインをする人のことを、エディトリアルデザイナーというのかしら、と曖昧なくらいに素人です。しかし、書籍デザインはとても好きで関心のある分野です。
2005年刊。古いです。
主に雑誌のデザインの紹介が多かったような気がします。エディトリアルデザイナーになる人へ、というメッセージが、インタビューを受けたデザイナーさんからそれぞれあります。本当に紹介という感じですが、デザインをするにあたっての、それぞれのデザイナーさんの基本姿勢や信念が読めて面白かったです。