読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

漫画家、音楽家、映画監督など「表現する仕事がしたい!」と夢見る若者は多い。人と違う個性をいかに発揮するかが勝負の世界で、どのような壁にぶつかり、乗り越えながら10代を過ごし、今の表現や仕事にたどりついたのかをさまざまな分野で活躍する個性豊かな13人が熱く語る。進路や生き方に悩む若者の道標となる一冊である。(裏表紙より)
音楽家とか芸術家といった人たち表現する仕事をしている人たちが、どういうきっかけでその仕事を選んだのか、進路選択したのか、どんな悩みがあったのかというのを語る。そういう環境に生まれついたという人もいれば、子どもの頃に出会って一度諦めたという人もいて、旅に出ることで別の世界が見えた、価値観が変わったり、運命的な出来事があったり。
これを読んで思うのは「人それぞれ」だということですね……。どんなに悩んでも、持っている人にはいずれその時が来るのかもしれないなあ、とか。

神様って意地悪だ。だけど……。
成人すると同時に下方面の大人を迎えようという、最高にくだらない決意と熱意を秘めて、ここまで戦ってきた。/地上には人々の想いが溢れているのだ。それってすごいことだよね。ああ。胸糞悪い。/「ふーん。じゃあ、お金を借りたお礼に、あたしがあんたを変えてあげよっか?」/頑張れば、出来るって思ったのは一体誰だろう?/好きな人と手を繋いで、キスをして、抱き合って、求め合う。ぬくもりを感じる。それのどこがいけないのだろう。
19歳をテーマに、5人の人気作家が描く、彼女彼らの物語。(裏表紙より)
「19歳だった」入間人間
彼女とのデートの日、ある時点を境に時間がループする現象に陥ってしまった俺の話。時間が絡むものでは『昨日は彼女も恋してた』のシリーズを読んだことがあるのですが、短編でこれをやるのはたいへんそうだ……と思うなど。ループしてしまうことへの狂気がもっと読みたいかも、と思ったけれど、入間さんがやるとシャレにならなさそうだ……。
「×××さんの場合」柴村仁
一人の人間をいろいろな人から見た話。間に神話の超訳が挟まっていて、この語り口が現代調でそうそう現代風でいうならそうなんだよ! という内容になっていて面白い。
「向日葵ラプソディ」綾崎隼
カツアゲされた女子に連れられ、偽の婚約者のふりをさせられることになった市貴。狂詩曲という感じのどたばたで、昨日よりも違う明日へという19歳の未来を感じさせるお話だったなあ。
「2Bの黒髪」紅玉いづき
紅玉さんのこれが読みたかったからこの本を手に取りました。やっぱり途中で泣いてしまったわ……。
ネットで活動していて、しかもそれが自分の将来の何の足しにもならないと分かっている人は、誰かしらこういう風に感じているのではないかな……。そう、無駄なんだと分かっているんだ。けれどその瞬間のすべてでもあるんだよ。泣いたー……。
「十九になるわたしたちへ」橋本紡
大人と子どもとそのさきを見ている少女と。息苦しい世界の中での呼吸、みたいな印象でした。この中で女の子であるユキだけが二人の男を俯瞰するように見ているのがいいなあ。田舎にいる女の子って外に出て行く子が多い気もするけれど、こういう風に地元に残る子って必ずいると思う。

“1年の記念日”をテーマにWebサイト「最前線」にて期間限定公開されたカレンダー小説を満を持して星海社FICTIONS化。
ご存じ「とある飛空士」シリーズ・犬村小六の初短編『月のかわいい一側面』(十五夜(9月13日))。
短編小説の名手・渡辺浩弐の『親愛なるお母さまへ』(敬老の日(9月17日))。
ひきこもり世代のトップランナー・滝本竜彦の『おじいちゃんの小説塾』(塾の日(10月9日))。
恋愛小説の次代を担う、紅玉いづきの『青春離婚』(いい夫婦の日(11月22日))。
現代SF小説界の新鋭・泉和良の『下界のヒカリ』(大晦日(12月31日))。
全5篇を収録した下巻。(裏表紙より)
ウェブで「青春離婚」を読んで、やっぱり手元に欲しくなったので。
「月のかわいい一側面」は、そうか現代でいうとやっぱり彼らはフリーターになってしまうのかと噴き出しつつも、現代の十五夜という話でかわいらしくて面白かった。
「親愛なるお母さまへ」はこのダークさがたまらん。むくいをうけろ! という話が好きなのかもしれない。親も人、子も人だ。
「おじいちゃんの小説塾」。引きこもりの祖父(誕生日の推定がちょうど私ら世代)というのがリアリティありすぎてうっとなる。どこに落とすのかなーと思ったらそうきたか!
「青春離婚」。離婚しよう? と言う女の子が最初に印象的すぎて、ウェブ公開時に一気読みしました。高校生として優しい部分と苦しい部分が描かれていて、読んでいてたくさんぎゅうっとなって、このお話の空気が本当に好きです。HEROさんのコミカライズも毎月楽しみで読んでいて、やっぱりコミックスを買ってしまった。
「下界のヒカリ」の、大晦日でもやっぱりだめ人間であるところに共感を覚えました! そうして立ち上がるときのかっこよさがいいなあ! 大晦日らしい出発の話でした。なんだかこの話に出てくる人みんなを応援したくなる。

「がんがらじめ」「リンプインシャンスー」「ヤカンにお湯かけといて」——細かいことは気にしない。「まつがい」だからこそバシッと伝わる、焦りや緊張や思惑や本音がある。正しい日本語を超えた楽しい日本語。※本書は、爆笑、赤面、共感、おもわず拍手、などの含有成分は『金の言いまつがい』と同一ですが、読む方の体質により、より面白くなってしまう場合があります。ご注意下さい。(裏表紙より)
読んで思わず噴き出してしまう言い間違い=『言いまつがい』を集めた一冊。これは絶対に公共の場では読めない。
上記の紹介文にある「がんがらじめ」……私も昔は言えなかったし書けなかったです。パソコンで変換しようとして「あれ? 変換できない……」と間違いに気付いた次第。
収録されているのは、オカン、オトン、会社の同僚の話が多い気がしました。特にオカンの言いまつがいは絶品ですね! 笑った笑った。

贄沢なチーズ鱈、卵の黄身をとろっと絡めたトースト、はんぺんのオイルフォンデュ、白砂糖入りの七草粥、ハーブティーで淹れたココア、モンゴルのいのちを頂くヤギのシチュー……20人の作家が自分だけの“ご馳走”を明かす。読めば「美味しい!」を共感できる極上のエッセイ集。(裏表紙より)
恩田陸、絲山秋子、古川日出男、村山由佳、井上荒野、山本文緒、藤野千夜、川上未映子、森絵都、津村記久子、三浦しをん、江國香織、朱川湊人、磯崎憲一郎、角田光代、道尾秀介、池井戸潤、中村文則、内田春菊、中島京子(敬称略)の、朝日新聞土曜別刷り「be」に連載された食に関するコラムを集めた本。作家さんのお名前を見れば分かる通り、大変贅沢な一冊で、もっと読みたい! と思いました。美味しそうだなんだよなー!
作家の一日に絡めて書いている人もいれば、思い出をまじえて書いている人もいて、すごく面白かった。