読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

『想像力が結晶して、アニメーションができあがる。そこから世界を覗けば、見えないものが見えてくる。あなたの人生を変えるアニメが、きっとあなたを待っている。』(カバー折り返しより)
「14歳の世渡り術」シリーズ。珍しくて思わず手に取ったんですが、ブックガイドならぬアニメガイドです。声優、アニメ監督、漫画家、編集者、学者などなど、そうした人たちがおすすめ(というよりかは思い入れのある)アニメを挙げて、少し語ってくれる。
最新とも言えるような「君の名は。」、SideMから、「アパッチ野球軍」「銀河鉄道999」。ニッチなところでいうと「灰羽連盟」や「電脳コイル」なんかも。巻末にも少しだけ作品紹介があって「白蛇伝」を取り上げたり「ふたりはプリキュア」の名前があったりと、幅広いところから厳選してるんだなあと思って嬉しくなりました。
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涙がとまらなかったあの短編。思わず吹き出したこの短編。記憶から消えない名手たちの技。人生の深淵を鋭くえぐり、生きる歓びを謳う真実の瞬間がここにある。月間小説誌『小説すばる』に掲載された短編小説群から、よりすぐりの秀作16編を集英社文庫編集部が精選! あの人気作家たちの世界が1冊で味わえる、究極のアンソロジー。心を癒し楽しませる、極上の読書体験を保証します。(裏表紙より)
赤川次郎「回想電車」浅田次郎「角筈にて」綾辻行人「特別料理」伊集院静「蛍ぶくろ」北方謙三「岩」椎名誠「猫舐祭」篠田節子「38階の黄泉の国」志水辰夫「プレーオフ」清水義範「苦労判官大変記」高橋克彦「梅試合」坂東真砂子「盛夏の毒」東野圭吾「超たぬき理論」宮部みゆき「さよなら、キリハラさん」群ようこ「キャンパスの掟」山本文緒「いるか療法―突発性難聴」唯川恵「青の使者」という16編。
綾辻行人「特別料理」のああーそういう展開だよねー! っていうグロテスクさが好きでした。
坂東真砂子「盛夏の毒」はエロスも含む後味の悪さが好きです。
唯川恵「青の使者」はその後の展開は気になりますが、そういう凄惨な部分を匂わせるの嫌いじゃないです!
だいたいが大人が主人公だったり視点人物だったりする話で、老いた人が回想する話が多かった印象でした。小説誌の読者層を思うとそういう風にある程度年齢を重ねた人を主人公に据えてしまうんだろうか。

バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。(裏表紙より)
食事シーンを挟みながらその料理の再現レシピを収録した一冊。素朴で美味しそうな料理ばかりだなあ!
その世界のものを食べているシーンがあると、そこで生きているっていう感じがする。すごくささやかなシーンだからこそ、登場人物の人間味が出るというか。食事をするって親しい人とじゃないと居心地が悪いものだから、登場人物が食事していると自分の近くに感じて嬉しいなあと思ったりもする。
勉強になりました。お腹減ったー!

才能よりも大切なこと
仕事に夢中になるためには、企画書がうまく書けたり、プレゼンがうまくできたり、人脈の作り方を習得することは必要ない。稀代のヒットメーカー2人がいかにして、天職ともいえる仕事に出合い、成果を残していったのか。本書は仕事に脳めるすべての人に送る、究極の仕事哲学本である。(カバーより)
読みやすくて面白かったなあ。すごく興味深かったです。楽しいと思うことが面白いこと(=仕事)を引き寄せやすくするのかなあと思いました。
このお二人がすでに名前を持っていて、大小さまざまな仕事がやってくるから、いま思えばあのときはこうだったという話ができるのかもしれないんですが、なんだろう「すごく大変だけどその大変さめっちゃ楽しい!」っていう気持ちがちょっとわかる。「後から思い返せばこれめちゃくちゃ面白いだろうな!」っていう予感を抱く瞬間、ありますよね。
これ何度も読み返したいなあ。すごく大事なことがたくさん書いてあるのに、まだちゃんとうまく飲み込めてない。読みながら「早く動かなくちゃ」っていう気持ちが沸き起こって集中できなかった。また今度再読しよう。

老舗ホテルの一人娘として生まれた「眠り姫」は、経営不振の実家を救うためにお見合いをすることに。「ヘンゼルとグレーテル」は廃屋から届くケーキの注文に戸惑っていた。自分こそが学年一の美少女だと思っている「白雪姫」は、同じくらい美しい無愛想な少女の存在が気になっていて……。誰もが知る“グリム童話”を大胆にアレンジ! 人気作家の作品、全六編を収録。(裏表紙より)
谷瑞恵「なくしものの名前」ルンペルシュティルツヒェン
白川紺子「白雪姫戦争」白雪姫
響野夏菜「二十年」かえるの王様
松田志乃ぶ「のばらノスタルジア」眠り姫
希多美咲「お菓子の家と廃屋の魔女」ヘンゼルとグレーテル
一原みう「A Cinderella Story」シンデレラ
以上六編の短編集です。甘いばかりだけでなく苦い話もぞっとする話もあるけれど、とてもいい短編集だと思いました。
いちばん好きなのは「のばらノスタルジア」。老舗ホテルの一人娘である寧々(通称のばら姫)は、経営破綻しかけているホテルを救うために政略結婚前提のお見合いをする……んですが、経営破綻の理由が飽き性で数字に弱いけれど魅力的な男性である恋多き父親と、未亡人になったことで破格の資産を持ち手腕を振るう黒蜘蛛夫人こと三輪夫人、そして王子様役であるワーカホリック気味の厳つく手厳しいことを言う直人、というキャラクターがすごく面白くて、ふわふわしたお嬢さんである寧々も実は数字に強くて未来の経営者たる才能が眠っている……という「この続きを読みたい!」と思わせる素敵なロマンスだったんですよね。三十歳の直人とまだ十八歳の寧々、このふたりが進展するところはきっともだもだするんだろうなあ! という可愛らしさで、とても好きなお話でした。

同じ鍵を持つ、ふたり。
だけど心は——。
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕……気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。(裏表紙より)
朝井リョウ「それでは二人組を作ってください」飛鳥井千砂「隣の空も青い」越谷オサム「ジャンピングニー」坂木司「女子的生活」徳永圭「鳥かごの中身」似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」三上延「月の沙漠を」吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」の八作品が収録されています。
作家さんの特色が出ていて面白いなあ! あんまりアンソロジーは読まないんですが、たまに読むとほうほう! と発見があって楽しい。
人間関係のいたたまれなさが突き刺さる朝井リョウさんの「それでは〜」がすごい。胸がいがいがするような居心地の悪さがさすがです。
好きだなあと思ったのは三上延さんの「月の沙漠を」。舞台が現代ばかりの中で時代がちょっと古い。誰かと一緒に暮らすということは一緒に生きていくということ、その戸惑いや不安を感じられて好きだなあと思いました。