読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
教室内ヒエラルキー上位の「リア充」(=現実の生活が充実している)女子グループに属する小林アン。中学二年生の四月、突然友人たちから無視されるが、同級生の「昆虫系」(=イケてないキャラモノ男子)、徳川勝利の言葉をきっかけに仲直りする。しかし、家や教室に絶望感を抱くアンは、自分と共通する美意識を感じる徳川に「私を殺して」と衝動的に依頼する。ふたりが作る事件の結末とは——!(裏表紙より)
割と死にたい気持ちでいるところにこれを読んで、腹の奥にぐうっとねじ込まれるような重みを感じて、ちょっと生きてる時間を得た、そんな読書でありました。
バスケ部所属リア充女子と、キモ系男子の、誰にも知られることのない秘密のやりとり。それは恋愛ではなく「私を殺して」というオーダーメイド。中学二年生という微妙な年頃の、ダークなものに惹かれるとか、死や殺人やグロテスクなものに興味を抱くとか、そういう言葉でくくりたくないんだけど、自分に秘密の場所を持つ感じ。それを荒らされることの瞬間的な怒りや絶望。すごく、実感する。
私の精神状態があれだったせいで、結末にはちょっと不満も抱いたりしたんですけど、でもきっと後からこれでよかったと思うんだろう。ほんの一時の、でも確かな絶望で死にたいと思ったことを、忘れないでいられることは幸せなことだ。その傷を話せるようになることは、大事なことだ。
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