読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
瓶子貴宣は、月収10万円の私大非常勤講師。博士号を持ち実力も抜群なのに、指導教官の不祥事で出世の道を閉ざされた。しかも姉が育児放棄した甥、誉を養ってもいる。貧乏でも正規雇用を諦めない貴宣の前に、千載一遇のチャンスが。だが誉を引き取りに姉が現れ、家庭問題まで勃発——。奮闘するポスドクの未来はどうなる! ? 痛快かつ心温まる、極上のエンタテインメント。『マル合の下僕』改題。(裏表紙より)
就活ものはメンタルにくるのできついとは気付いていたんですが、そこそこの年齢の社会人の非正規雇用の現状を描いたものも心にクると気付かされた作品。現実辛い。
しかもこれ瓶子先生は理系で情報関係だから、文系の講師陣はどれだけきついかと想像するともっとメンタルにくる。そしてまた学生たちとは違って、家族を養うってこんなに大変なのかと。誉がとてもいい子だからなんとかなっているけれど反抗期真っ盛りだったりやんちゃでぐれていたりするときっともうちゃんと生活できてないよ……。
ただ物語は、たとえお金にならなくても、努力したことや、身につけた知識、技術といったものは未来への選択肢を広げるから決して諦めるんじゃない、という内容。「どうして勉強するの?」という問いに対するアンサーだったように思います。そして人を踏みつけにして得られるものはないということも。
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