読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
比翼連理の国王夫婦。私はそこに割り込む悪役の〈第二妃〉——。
辺境領主の嫡女として生まれ育ったベルタは突如、国王に嫁ぐことになる。それも王室に前例のない〈第二妃〉として。
愛されることも愛することもない生活を覚悟して輿入れしたベルタは、しかし儀礼的に済まされた三夜の儀式で妊娠する。継嗣のなかった王室にもたらされた待望の男児。その生母となった彼女は、やがて否応なしに正妃と対立し、我が子をめぐる権力闘争に巻き込まれていく……。
激動のヒストリカル・ロマン開幕!(裏表紙より)
悪役の第二妃ですが陛下の子どもを産みました、という悪役令嬢ものをとても真面目にヒストリカルに仕立てたお話。ただテンプレートと異なるのは、ベルタに凄まじい才覚と人望があって王妃になれる資格があること。
それまで生まれてもはかなくなった子ども、それも王子を産んだことでベルタへの見方が変わるのはこうした王宮ものとしては避けられないとはいえ、国王ハロルドも徐々に傾いていくのがなんか、なんか……それでいいのか、でもマルグリットが激しく傷付いたように彼も深く深く傷付いていたんだなということもあるしな、と割り切れない気持ちに。
ただ、結果的に王妃を退けたベルタも、両親から見れば愛情を欲しがり、父母のような家族を作ることをどこかで想像していた少女の心があるのだと思うと、胸が苦しくなる。
幸せを願うのとはまた違って、誰も不幸にならないでほしいと願って読み終えました。
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