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百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)
「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは——。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。
「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」
恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。(裏表紙より)

ちょーきゅんきゅんした。なんだろう、私はこの子たちを知っている感! どこかでこういう子がいるっていうことを知っている気持ちにさせられてしまった。コミュ能力が低くて、自分に自身が持てなくて、それでも息をひそめながら生きていた感じが、もう懐かしくって、恋が絡むとさらにきゅんきゅんしてしまいました。
特に表題作「百瀬、こっちを向いて。」の、「自分のような薄暗い電球がどうこうとそのころはまだ悩んでいて」という部分が、特にぎゅっときたのは、十代の彼らが持つ悩みや痛みは全部その時のほんの一時的なものだという希望が見えるからです。きっとそんなことに悩まないでいい日は来ると思う。
この文庫に収録された全作が好きです。「あの日の海」に取り残されたままの年上女性と年下男子、先生と女生徒、自分を不細工に偽る美少女と飾らない男子。特に先生と生徒もの「キャベツ畑に彼の声」はジブリの映画とかみたいだったなあ。身体を丸めて座っている女の子が見える気がした。「なみうちぎわ」の閉塞感と切なく純粋な恋は染みたし、「小梅が通る」は気持ちよかった。
すごく面白かったです。
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