読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」——若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが……。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれるさまざまな謎に取り組んでいく。表題作を含む五編を収録した人気の本格書店ミステリ、シリーズ第三弾!(裏表紙より)
久世番子さんのコミカライズをすでに読んでいるせいで、読んだか読んでないか覚えていなかったという。そして原作第二弾読んでないよ!
ともかく。不審な本の取り寄せと事件の「取り寄せトラップ」。小学生の少年の不審な行動の理由は……「君と語る永遠」。融通のきかないバイト金森君の「バイト金森くんの告白」。表題作の「サイン会はいかが?」。忘れ物はどこへいったのかという「ヤギさんの忘れもの」の五編。コミックはかなり忠実に描いていたな、と原作を読んで思いました。
じわっとしてしまった「君と語る永遠」。こういう、約束事に私はすごく弱いんだ……いつか、という、その「いつか」を胸に抱いた人が好きなんだ……。「ヤギさんの忘れもの」もとてもいい話でした。こういう交流ができるっていいなあ。
本と書店と書店員とお客と、そのつながりがとても綺麗に描かれていて、杏子たちの台詞ひとつひとつにそれが滲み出ていて、読んでいていいなあという気分になれるお話だと思います。すごく好きです。
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