読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
高校生の文人が唯一心を開くのはネットで知り合った年上の男性「アルタイル」。趣味の天体観測を通じて穏やかにメールを交わすつきあいだ。卒業式の後、友人の言葉に酷く傷ついた文人は駆けつけたアルタイルと初めて会いその人柄に更に惹かれるが、本名すらわからないまま交流は途絶える。数ヶ月後、姉が連れて来た婚約者はアルタイルその人で?(裏表紙より)
マイノリティゆえにネットで知り合い心を近付けた友人と、実際に会って心惹かれるも、恋人がいると知って交流が途絶えたその後、彼が再び、しかも姉の婚約者として現れた、という恋愛小説。
恋愛小説なんですよ。いまのこの世界の価値観ではBL小説という括りで出版されているけれど、まごうことなき同性愛をテーマにした恋愛小説。マイノリティに悩み、傷付くことを恐れて孤独になりがちな、小さな星のような人たちが一生懸命に生きて、恋をして傷付くことを丁寧に描いた作品で、読みながらため息ばかりついてしまった。本当に、なんて苦しくて切ない恋なんだろう。それが叶った瞬間の万感と、それですべてが幸福に終わるわけではない不安がきっちり描かれていた。
この作品、数年後に読むと絶対また読み心地が変わっていると思う。大事にしよう。
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