読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる——。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(裏表紙より)
ルルル文庫の「横柄巫女と宰相閣下」シリーズなどで知られる鮎川はぎのさんの別名義の作品。解説で知ったんですけれども、高瀬ゆのかさんも別名義なんですね。
降田天さん名義の本作は、小学三年・四年生のある教室での女子の争い(スクール・カースト)から端を発した、夏祭りのある事件をめぐる話。第一部子どもたち、第二部教師、第三部真相の三部構成です。
第一部のマキとエリカの争いが描かれる一方、小競り合いにきっかけになる行動を起こしているのは誰か、語り手の真意はなど、いろいろと仕掛けている感じだなあということがわかるのですが、第二部、第三部と読んでそこまでしてしまったか! と嫌な気持ちになったのはすごかった。なんらかの方法でマキの口封じをしたんだろうとは思ったんですが、そこで「クラス」という生き物が動くのか……ため息してしまったわ……。
そして大人になっても本当に幸せにはなれない人たちがいる。描かれてはいなけれども、四年一組の人たちは絶対どこかに欠陥を抱えて生きているんだろうな……。
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